Azure認定資格 WEB問題集&徹底解説
AI-901:Microsoft Azure AI Fundamentals
問題文と選択肢
この追加要件への対応として、最も適切なものはどれか。
- システムプロンプトに「重機を正確に数え、それぞれの位置をピクセル座標の JSON で出力する」と指示すれば、マルチモーダルモデルの回答だけで精度の要件を満たせる
- 画像入力の detail パラメーターを high に設定すれば座標と台数の正確さが保証されるため、マルチモーダルモデルの回答だけで対応する
- 位置と台数は、物体ごとに境界ボックスの座標と信頼度を返す物体検出モデルで取得し、マルチモーダルモデルは進み具合の報告に引き続き使う
- 進み具合の報告も含めてすべて物体検出の機能に置き換え、マルチモーダルモデルの利用をやめる
A. システムプロンプトに「重機を正確に数え、それぞれの位置をピクセル座標の JSON で出力する」と指示すれば、マルチモーダルモデルの回答だけで精度の要件を満たせる
システムプロンプトで出力の形式(ピクセル座標の JSON)を指定することはできますが、指示によって変わるのは書き方であり、画像を見る精度そのものは変わりません。
マルチモーダルモデルは画像の内容を理解して文章(トークン)を生成するモデルなので、座標や台数もその生成結果として出てきます。おおよその台数や位置関係を答えられることはあっても、枠をダッシュボードに描き、台数を正確に集計する用途で精度を担保する仕組みはありません。「正確に」と書けば正確になる、という発想が誤りです。
B. 画像入力の detail パラメーターを high に設定すれば座標と台数の正確さが保証されるため、マルチモーダルモデルの回答だけで対応する
detail パラメーターを high にすると、モデルは画像を細かな区画に分けて詳しく読み取る高解像度モードで処理するため、小さく写った物体の見落としが減るなど、細部の解釈は改善が期待できます(その分トークンの消費は増えます)。
しかしこれは画像の読み取り方の細かさを調整する設定であり、出力される座標や台数の正確さを保証するものではありません。「保証される」という言い切りが誤りで、マルチモーダルモデルの回答だけで対応する方針も変わらず不適切です。
C. 位置と台数は、物体ごとに境界ボックスの座標と信頼度を返す物体検出モデルで取得し、マルチモーダルモデルは進み具合の報告に引き続き使う
物体検出モデルは、画像に写る対象ごとにクラス名・境界ボックスの座標・信頼度スコアを構造化されたデータとして返します。座標をそのまま使えばダッシュボードに枠を描け、信頼度のしきい値を超えた「重機」の検出結果を数えれば台数を集計できます。
一方、作業の進み具合を自然な文章で報告するという既存の機能は、物体検出では実現できません。得意な処理ごとにモデルを使い分け、マルチモーダルモデルは報告に引き続き使うこの構成が、既存機能を保ったまま追加要件を満たす最も適切な対応です。
D. 進み具合の報告も含めてすべて物体検出の機能に置き換え、マルチモーダルモデルの利用をやめる
物体検出に置き換えれば位置と台数は取得できますが、物体検出が返すのはクラス名・座標・信頼度だけで、「基礎工事が完了し、鉄骨の建方に入った」といった状況の文章による報告は作れません。
今回は機能の追加であり、既存の進み具合の報告を失う構成は要件に反します。「物体検出の方が正確だから全部置き換える」という極端な判断を誘う誤答です。
構成図
定点カメラ画像 ├──▶ マルチモーダルモデル(Foundry) ── 進み具合の文章 ──────────▶ ダッシュボード:報告文の表示 └──▶ 物体検出モデル ── 重機ごとの境界ボックス・信頼度 ──▶ ダッシュボード:枠の描画と台数の集計
「どこに・何台」は物体検出、「どんな状況か」はマルチモーダル。座標の正確さはプロンプトでは買えない。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| 進み具合を自然な文章で報告する(既存機能) | 文章の生成はマルチモーダルモデルの得意分野。物体検出は文章を作れないので、全面置き換えでは既存機能を失う →選択肢(D)を消す |
| 重機ごとに枠を描画し、台数を正確に集計する(追加機能) | 対象ごとに境界ボックスの座標と信頼度を構造化データで返す物体検出モデルが適任 →選択肢(C)は候補 |
| プロンプトの指示で精度の要件を満たせるか | 指示で変わるのは出力の形式。座標や台数も生成結果であり、正確さは指示では担保できない →選択肢(A)を消す |
| detail を high にすれば正確さが保証されるか | high は細部を詳しく読み取る設定で、改善は見込めても保証はしない →選択肢(B)を消す |
| 既存機能を保ったまま追加要件に応える | 位置・台数は物体検出、報告はマルチモーダルと役割分担する →選択肢(C)が正解 |
ひっかけポイント
- 選択肢 A は「JSON で出力させる」という形式の指定は実際に可能なため、それっぽく見える。だが形式が整っても、中身の座標や台数の正確さは別問題
- 選択肢 B は detail パラメーターという実在の設定を使った誤答。high で細部の解釈は改善し得るが、「保証される」という言い切りが誤り
- 選択肢 D は「物体検出の方が正確」という正しい一面から全面置き換えに飛躍している。追加要件のために既存要件(文章の報告)を捨てない
- マルチモーダルモデルが位置や台数をまったく答えられないわけではない。問われているのは、ダッシュボードの枠描画と正確な集計に使える精度と構造を備えた出力かどうか
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「重機が写っているかどうかと、現場の様子がおおまかに分かればよい」 | 正確な座標や台数が不要なら、マルチモーダルモデル単独で足りる。 |
| 「重機を自社の分類(油圧ショベル・クレーン等)で区別して数えたい」 | 自社の画像に枠とクラス名を付けて学習させたカスタムの物体検出モデル(Azure Machine Learning の自動 ML など)が正解軸に。 |
| 「信頼度の低い検出は台数に含めたくない」 | 物体検出の結果に信頼度のしきい値を設けて集計する設計が正解に。 |
| 「報告文を決まった JSON 形式で後続のシステムに渡したい」 | 構造化出力(JSON スキーマの指定)が正解に。これは形式の保証であり、内容の正確さの保証ではない点は本問と同じ。 |
| 「遠くに小さく写る資材の文字や細部を、マルチモーダルモデルでより詳しく読ませたい」 | このときはdetail を high にする設定が正解に浮上する(細部の解釈の改善が目的のため)。 |
リファレンス
この問題を解くために必要な知識を扱う公式ドキュメントです。| 知識項目 | 公式ドキュメント |
|---|---|
| マルチモーダルモデルへの画像入力と detail パラメーター(low・high・auto)の働き | ビジョン対応チャット モデルを使用する方法 |
この追加要件への対応として、最も適切なものはどれか。
- システムプロンプトに「重機を正確に数え、それぞれの位置をピクセル座標の JSON で出力する」と指示すれば、マルチモーダルモデルの回答だけで精度の要件を満たせる
- 画像入力の detail パラメーターを high に設定すれば座標と台数の正確さが保証されるため、マルチモーダルモデルの回答だけで対応する
- 位置と台数は、物体ごとに境界ボックスの座標と信頼度を返す物体検出モデルで取得し、マルチモーダルモデルは進み具合の報告に引き続き使う
- 進み具合の報告も含めてすべて物体検出の機能に置き換え、マルチモーダルモデルの利用をやめる
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