AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
生成AIデベロッパー-プロフェッショナル
問題文と選択肢
要件は次のとおりである。自傷行為などの有害なトピックへの言及を一律にブロックすること。患者氏名や保険証番号などの個人を特定できる情報(PII)を出力から自動的に秘匿すること。特定の薬剤の処方量など、医師の判断が必要な医療的助言をモデルが直接回答しないよう防止すること。そして、これらの安全ポリシーを、診療科ごとに異なる複数の基盤モデルに対して個別に実装し直すことなく、一貫して適用できること。
この要件を満たすために実装すべき Amazon Bedrock の機能はどれか。
- Amazon Bedrock Knowledge Bases を使い、各診療科の診療ガイドライン文書を取り込んで、モデルの回答に根拠となる出典を持たせる
- Amazon SageMaker Model Monitor を使い、本番稼働中のモデルへの入出力データの分布が学習時と乖離していないかを継続的に監視し、閾値超過時にアラートを発報する
- Amazon Bedrock Guardrails を使い、禁止トピックの定義、コンテンツフィルタ、PIIの秘匿化ポリシーを一元的に設定し、利用する複数の基盤モデルに共通して適用する
- Amazon Bedrock Agents を使い、問診の受付から予約確定までの一連のタスクをオーケストレーションする
A. Amazon Bedrock Knowledge Bases を使い、各診療科の診療ガイドライン文書を取り込んで、モデルの回答に根拠となる出典を持たせる
Amazon Bedrock Knowledge Bases は、診療ガイドラインなどの文書を根拠として回答させるRAG のための機能です。
回答の事実性や出典提示には有効ですが、有害トピックの遮断・PII の秘匿・特定分野の回答禁止といった安全ポリシーを強制する仕組みではありません。
むしろ処方量に関するガイドラインを取り込めば、医師の判断が必要な助言を返しやすくなり、要件と逆方向に働く可能性すらあります。
B. Amazon SageMaker Model Monitor を使い、本番稼働中のモデルへの入出力データの分布が学習時と乖離していないかを継続的に監視し、閾値超過時にアラートを発報する
Amazon SageMaker Model Monitor は、稼働中のモデルの入出力データの分布ドリフトなどを事後に監視して通知する機能です。
検知はできてもその場で応答をブロックしたり秘匿したりする制御は行いませんし、Amazon Bedrock の基盤モデル呼び出しに横断適用する仕組みでもありません。
「監視」と「強制(エンフォースメント)」の違いを問う典型的な誤答です。
C. Amazon Bedrock Guardrails を使い、禁止トピックの定義、コンテンツフィルタ、PIIの秘匿化ポリシーを一元的に設定し、利用する複数の基盤モデルに共通して適用する
Amazon Bedrock Guardrails は、拒否トピック(自傷行為や処方量の指示など、回答させたくない話題の定義)、コンテンツフィルタ(有害カテゴリの検出)、機微情報フィルタ(PII のブロック/マスク)を1つのポリシーとしてまとめて設定できます。
これらは入力プロンプトとモデルの応答の両方に適用され、要件に挙がった3つの制御をそのまま実現します。
さらにガードレールは基盤モデルから独立したリソースで、呼び出し時に指定するだけで適用されるため、診療科ごとに異なる FM に対しても同じポリシーを一貫して適用できます。この4つ目の要件が決め手です。
D. Amazon Bedrock Agents を使い、問診の受付から予約確定までの一連のタスクをオーケストレーションする
Amazon Bedrock Agents は、依頼をタスクへ分解して外部 API の呼び出しまで自律的に実行するオーケストレーションの機能です。
問診受付から予約確定までの業務フロー自動化には有効ですが、安全ポリシーを定義・強制する機能ではありません。
設問が求めているのは業務の自動化ではなく出力の統制であり、目的が噛み合っていません。
構成図
Amazon Bedrock Guardrails (拒否トピック/コンテンツフィルタ/PII 秘匿を一元定義) ├─▶ 内科のアシスタント(FM-A) ├─▶ 皮膚科のアシスタント(FM-B) └─▶ 整形外科のアシスタント(FM-C)
安全ポリシーを複数 FM へ横断適用するなら Guardrails。モデルごとの作り込みは不要。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| 自傷行為などの有害なトピックへの言及を一律にブロック | コンテンツフィルタと拒否トピックで、入力・出力の双方に対して定義できる →選択肢(C)が正解 |
| 患者氏名や保険証番号などの PII を出力から自動的に秘匿 | 機微情報フィルタで PII をブロックまたはマスクできる。監視して通知するだけの仕組みでは要件を満たさない →選択肢(B)を消す |
| 医師の判断が必要な医療的助言を直接回答させない | 拒否トピックとして定義すれば回答を回避させられる。ガイドライン文書を取り込む RAG はむしろ逆効果 →選択肢(A)を消す |
| 診療科ごとに異なる複数の FM へ個別実装なしで一貫適用 | ガードレールは基盤モデルから独立したリソースで、呼び出し時に指定するだけで共通適用できる →選択肢(C)が正解 |
| 求められているのは出力の統制であって業務フローの自動化ではない | タスク分解と API 実行の機能は、安全ポリシーの強制とは目的が異なる →選択肢(D)を消す |
ひっかけポイント
- 「診療ガイドラインを根拠にすれば安全になるのでは」と考えたくなるが、RAG は回答の根拠付けであって禁止の強制ではない。むしろ処方量の記述を取り込むと危険側に振れる
- Model Monitor は検知して知らせるだけ。要件は「ブロックする」「秘匿する」と書かれており、事後のアラートでは満たせない
- 最後の一文「複数の基盤モデルに個別に実装し直すことなく」が本問の決定打。プロンプトに安全指示を書き込む方式が選択肢に並んだ場合も、この一文で落とせる(モデルごとに作り込みが必要になるため)
- Guardrails は入力側にも出力側にも効く。「出力から秘匿」とだけ書かれていても、Guardrails 以外を選ぶ理由にはならない
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「回答が取り込んだ診療ガイドラインに基づいているかを検証したい」 | Guardrails のコンテキストグラウンディングチェック、または Knowledge Bases によるグラウンディングが正解軸に。 |
| 「Amazon S3 に保存した問診記録に PII が含まれていないか調べたい」 | Amazon Macie(保存データの機微情報検出)が正解に転じる。 |
| 「テキストからPII を抽出・マスクする処理を自前のパイプラインで行いたい」 | Amazon Comprehend の PII 検出が候補に浮上する。 |
| 「本番の SageMaker エンドポイントでデータドリフトを監視したい」 | Amazon SageMaker Model Monitor が正解に転じる。 |
| 「問診の受付から予約確定まで自動で実行させたい」 | Amazon Bedrock Agents が正解軸に。安全制御とは別レイヤーの話。 |
リファレンス
この問題を解くために必要な知識を扱う公式ドキュメントです。| 知識項目 | 公式ドキュメント |
|---|---|
| Guardrails のコンポーネント(拒否トピック・コンテンツフィルタ・機微情報フィルタ) | ガードレールを作成する - Amazon Bedrock |
要件は次のとおりである。自傷行為などの有害なトピックへの言及を一律にブロックすること。患者氏名や保険証番号などの個人を特定できる情報(PII)を出力から自動的に秘匿すること。特定の薬剤の処方量など、医師の判断が必要な医療的助言をモデルが直接回答しないよう防止すること。そして、これらの安全ポリシーを、診療科ごとに異なる複数の基盤モデルに対して個別に実装し直すことなく、一貫して適用できること。
この要件を満たすために実装すべき Amazon Bedrock の機能はどれか。
- Amazon Bedrock Knowledge Bases を使い、各診療科の診療ガイドライン文書を取り込んで、モデルの回答に根拠となる出典を持たせる
- Amazon SageMaker Model Monitor を使い、本番稼働中のモデルへの入出力データの分布が学習時と乖離していないかを継続的に監視し、閾値超過時にアラートを発報する
- Amazon Bedrock Guardrails を使い、禁止トピックの定義、コンテンツフィルタ、PIIの秘匿化ポリシーを一元的に設定し、利用する複数の基盤モデルに共通して適用する
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