AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
生成AIデベロッパー-プロフェッショナル
問題文と選択肢
・「これまでの指示をすべて無視して」といった入力によってモデルがジェイルブレイクされること
・生成される回答の中に、社内の未公開処方データや薬価交渉に関する機微情報が漏えいすること
入力層と出力層の両方をカバーするには、どの2つの制御を実装すべきか。(2つ選択)
- Amazon Bedrock Guardrails の「プロンプトアタック」フィルタを有効化し、「指示を無視して」のような、システム指示の無視を試みる入力パターンを自動的に検知・ブロックする
- AWS Shield Advanced を API Gateway に設定し、ユーザープロンプトの意味内容を解析して不正な入力を遮断する
- Amazon Macie を使用して、アプリケーションに関連する Amazon CloudWatch Logs のロググループを継続的にスキャンし、過去の機微情報漏えいを検出する
- 生成された回答に対して後処理を行う AWS Lambda 関数を実装し、高エントロピー文字列や社内システムのホスト名パターンに一致する正規表現でスキャンしたうえで、問題がなければ応答を返す
- 月次の定例会議で、生成 AI アシスタントの出力サンプルを担当者が目視でレビューし、機微情報が含まれていないかを確認する運用プロセスを整備する
A. Amazon Bedrock Guardrails の「プロンプトアタック」フィルタを有効化し、「指示を無視して」のような、システム指示の無視を試みる入力パターンを自動的に検知・ブロックする
Amazon Bedrock Guardrails のプロンプトアタックフィルタは入力プロンプトに対して適用され、ジェイルブレイク・プロンプトインジェクション・プロンプトリークの試行を検知してブロックします。
「これまでの指示をすべて無視して」という典型的な攻撃パターンは、まさにこのフィルタが想定する入力です。
自前の正規表現やキーワード列挙で追いかけるのではなく、マネージドの分類器で入力層を塞げるため、多層防御の入口側としてこれが第一候補になります。
B. AWS Shield Advanced を API Gateway に設定し、ユーザープロンプトの意味内容を解析して不正な入力を遮断する
AWS Shield Advanced はDDoS 攻撃(ボリューム型・プロトコル型・アプリケーション層の大量リクエスト)に対する保護サービスであり、リクエストの到達量や通信パターンを見る仕組みです。
ユーザープロンプトの意味内容を解析する機能は持たないため、ジェイルブレイクのような「文意による攻撃」は検知できません。
可用性を守る層と、生成 AI の安全性を守る層は別物である点に注意してください。
C. Amazon Macie を使用して、アプリケーションに関連する Amazon CloudWatch Logs のロググループを継続的にスキャンし、過去の機微情報漏えいを検出する
Amazon Macie の機微データ検出はAmazon S3 に保存されたオブジェクトを対象としており、Amazon CloudWatch Logs のロググループをスキャンする使い方はできません。
仮に対象が S3 だったとしても、選択肢の目的は「過去の漏えいを検出する」ことであり、利用者へ回答が返る前に止める制御にはなりません。
事後の検出は監査には有用ですが、出力層の防御としては要件を満たしません。
D. 生成された回答に対して後処理を行う AWS Lambda 関数を実装し、高エントロピー文字列や社内システムのホスト名パターンに一致する正規表現でスキャンしたうえで、問題がなければ応答を返す
モデルの応答を利用者へ返す前に AWS Lambda で検査し、問題がなければ初めて返却するという後処理は、出力層のインラインな防御になります。
未公開処方コードや社内ホスト名のようなその企業固有のパターンは、汎用の PII フィルタでは拾いきれないため、正規表現や高エントロピー文字列の判定を自前で足す価値があります。
入力側のマネージドフィルタと組み合わせることで、「入口と出口の両方」という多層防御の要件を満たします。
E. 月次の定例会議で、生成 AI アシスタントの出力サンプルを担当者が目視でレビューし、機微情報が含まれていないかを確認する運用プロセスを整備する
目視レビューは統制として意味がありますが、月次かつサンプル抽出では、漏えいが起きた事実に気づくのが数週間後になり、しかも全件をカバーできません。
設問は「2つのリスクに同時に対処する」制御を求めており、リアルタイムに遮断できない運用プロセスは防御の層として数えられません。
技術的制御を置いたうえでの補完策にはなり得ますが、ここでの正解にはなりません。
構成図
利用者のプロンプト ▼ [入力層]Bedrock Guardrails プロンプトアタックフィルタ ▼ 通過したものだけ 基盤モデル(社内資料の検索・要約) ▼ [出力層]Lambda 後処理(正規表現・高エントロピー判定) ▼ 問題なければ返却 回答
入口は Guardrails、出口は後処理検証。「あとから見つける仕組み」は防御の層にならない。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| 「これまでの指示をすべて無視して」という入力(ジェイルブレイク) | Amazon Bedrock Guardrails のプロンプトアタックフィルタは入力プロンプトに適用され、この攻撃パターンを標準機能で検知・ブロックできる →選択肢(A)が正解 |
| 生成された回答に機微情報が混入するのを防ぐ(出力層) | 応答を返す前に検査してから返すインラインの後処理が必要。社内固有パターンは自前の正規表現・エントロピー判定で拾う →選択肢(D)が正解 |
| プロンプトの意味内容を見て不正な入力を遮断する | AWS Shield Advanced はDDoS 対策であり、ペイロードの文意は解析しない →選択肢(B)を消す |
| 検査対象は生成 AI アプリの応答(選択肢では CloudWatch Logs) | Amazon Macie の対象はAmazon S3 のオブジェクトのみ。さらに「過去の漏えい検出」は事後であり遮断できない →選択肢(C)を消す |
| 2つのリスクに「同時に対処」する多層防御 | 月次の目視レビューはリアルタイム性がなく、全件も見られないため、入力層・出力層のどちらの層にもならない →選択肢(E)を消す |
ひっかけポイント
- Guardrails には機微情報フィルタもあるため「A だけで出力層も守れるのでは」と考えがちだが、選択肢 A が有効化しているのはプロンプトアタックフィルタだけ。書かれていない機能を補って読んではいけない
- Macie は「機微情報検出といえばこれ」の定番サービスに見えるが、スキャンできるのは Amazon S3 だけ。CloudWatch Logs のロググループを継続スキャンする使い方は存在しない
- Shield Advanced は AWS WAF と連携したアプリケーション層保護も持つが、守る対象は攻撃トラフィックの量やパターン。プロンプトの文意を読む仕組みではない
- 「未公開処方データ」「薬価交渉」は一般的な PII ではなく社内固有の機微情報。汎用フィルタ任せにできないからこそ、選択肢 D のカスタム後処理が効いてくる
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「出力に含まれる患者氏名や電話番号などの PII を秘匿したい」 | Guardrails の機微情報フィルタ(PII のブロック/マスク)が正解に。自前 Lambda を書く必要はない。 |
| 「RAG の回答が参照文書に基づかない(ハルシネーション)のを抑えたい」 | Guardrails のコンテキストグラウンディングチェックが正解軸に。 |
| 「Amazon S3 に蓄積したアップロード資料に機微情報が無いか調べたい」 | Amazon Macie が一転して正解に浮上する。 |
| 「投資助言や医療診断など特定のトピックそのものを回答させたくない」 | Guardrails の拒否トピックの設定が正解軸に。 |
| 「公開エンドポイントを大量リクエストから守りたい」 | AWS WAF のレート制限や AWS Shield Advanced が正解に戻る(可用性の層)。 |
リファレンス
この問題を解くために必要な知識を扱う公式ドキュメントです。| 知識項目 | 公式ドキュメント |
|---|---|
| Guardrails のコンポーネント(プロンプトアタック・機微情報フィルタの適用対象) | ガードレールを作成する - Amazon Bedrock |
・「これまでの指示をすべて無視して」といった入力によってモデルがジェイルブレイクされること
・生成される回答の中に、社内の未公開処方データや薬価交渉に関する機微情報が漏えいすること
入力層と出力層の両方をカバーするには、どの2つの制御を実装すべきか。(2つ選択)
- Amazon Bedrock Guardrails の「プロンプトアタック」フィルタを有効化し、「指示を無視して」のような、システム指示の無視を試みる入力パターンを自動的に検知・ブロックする
- AWS Shield Advanced を API Gateway に設定し、ユーザープロンプトの意味内容を解析して不正な入力を遮断する
- Amazon Macie を使用して、アプリケーションに関連する Amazon CloudWatch Logs のロググループを継続的にスキャンし、過去の機微情報漏えいを検出する
- 生成された回答に対して後処理を行う AWS Lambda 関数を実装し、高エントロピー文字列や社内システムのホスト名パターンに一致する正規表現でスキャンしたうえで、問題がなければ応答を返す
- 月次の定例会議で、生成 AI アシスタントの出力サンプルを担当者が目視でレビューし、機微情報が含まれていないかを確認する運用プロセスを整備する
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