AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
生成AIデベロッパー-プロフェッショナル
問題文と選択肢
AWSのマネージド機能を使ってこれを実現するアーキテクチャパターンはどれか。
- Amazon Bedrock のクロスリージョン推論を有効化し、大型モデルへのリクエストを東京リージョン (ap-northeast-1) と大阪リージョン (ap-northeast-3) に分散させてスループットを高める
- Amazon ElastiCache でセマンティックキャッシュを構築し、過去に処理した問い合わせのベクトルと回答を保存して意味的に類似する新規の問い合わせに再利用する
- Amazon SageMaker AI で軽量な分類モデルを学習・ホストし、問い合わせの難易度を事前判定したうえで基盤モデルの呼び出し要否を振り分ける
- Amazon Bedrock のインテリジェントプロンプトルーティングを有効化し、プロンプトの特徴に応じて定型的な質問は小型モデルへ、高度な判断を要する質問は大型モデルへ自動的に振り分けるよう設定する
A. Amazon Bedrock のクロスリージョン推論を有効化し、大型モデルへのリクエストを東京リージョン (ap-northeast-1) と大阪リージョン (ap-northeast-3) に分散させてスループットを高める
クロスリージョン推論(推論プロファイル)は、リクエストを複数リージョンへ振り分けてスロットリング耐性とスループットを高めるための機能です。
ルーティング先が変わってもオンデマンド料金は同じで、すべての問い合わせが大型モデルへ行く構図は変わらないため、コストは下がりません。
そもそも設問の課題は「スループット不足」ではなく「単価の高いモデルを使いすぎていること」であり、要件と噛み合いません。
B. Amazon ElastiCache でセマンティックキャッシュを構築し、過去に処理した問い合わせのベクトルと回答を保存して意味的に類似する新規の問い合わせに再利用する
セマンティックキャッシュ自体は生成 AI アプリのコスト削減で有効な手法ですが、埋め込みの生成・類似度しきい値の調整・回答の鮮度管理を自前で実装・運用する必要があり、「AWS のマネージド機能を使って」という要件から外れます。
また効くのは過去とほぼ同じ問い合わせが再来したときだけで、障害切り分けやインシデントのトリアージのように毎回状況が異なる 35% には効果がありません。
回答を使い回すことで、手順変更後の古い回答を返してしまうリスクも抱えます。
C. Amazon SageMaker AI で軽量な分類モデルを学習・ホストし、問い合わせの難易度を事前判定したうえで基盤モデルの呼び出し要否を振り分ける
難易度を事前判定して振り分けるという発想自体は正しい方向ですが、そのための分類モデルを Amazon SageMaker AI で学習・ホストし続けるのは運用負荷とエンドポイント費用の増加を招きます。同じことをマネージドに行う機能が Bedrock に用意されている以上、過剰な設計です。
加えて「基盤モデルの呼び出し要否」を判定するだけでは、呼び出すと決めた問い合わせをどのモデルへ送るかという肝心の部分が解決しません。
D. Amazon Bedrock のインテリジェントプロンプトルーティングを有効化し、プロンプトの特徴に応じて定型的な質問は小型モデルへ、高度な判断を要する質問は大型モデルへ自動的に振り分けるよう設定する
Amazon Bedrock のインテリジェントプロンプトルーティングは、受信したプロンプトの内容を分析して各モデルの応答品質を予測し、品質とコストの最適な組み合わせになるモデルへ動的に振り分けるマネージド機能です。
同一モデルファミリー内の大小 2 モデル(Claude 3.5 Sonnet と Claude 3.5 Haiku など)を登録し、応答品質差のしきい値(responseQualityDifference)とフォールバックモデルを指定するだけで使えるため、アプリ側にルーティングロジックを実装する必要がありません。
定型的な問い合わせは小型モデルで安く処理し、高度な判断を要する問い合わせは大型モデルへ回るので、複雑な問い合わせの品質を保ったままコストを下げるという要件をそのまま満たします。
大小モデルの自動振り分けは Bedrock のプロンプトルーティング。同一ファミリーの 2 モデルを品質差で切り替える。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| 定型 65% / 高度 35% と難易度が二極化している | プロンプト単位で大小モデルを自動的に使い分ける仕組みが要る。全件を同じ大型モデルへ送る構成のままでは解決しない →選択肢(A)を消す |
| 複雑な問い合わせの回答品質は落とさない | 応答品質を予測して振り分けるため、難しいプロンプトは大型モデルへ回る。回答の再利用では品質・鮮度を保証できない →選択肢(B)を消す |
| AWS のマネージド機能で実現する(実装・運用負荷を増やさない) | ルーターを作成するだけで済む。分類モデルの学習・ホスティングやキャッシュ層の自作は要件に反する →選択肢(B・C)を消す |
| コストが予算を超過している(削減が目的) | クロスリージョン推論は可用性・スループット向けでオンデマンド料金は変わらない。コスト削減策にならない →選択肢(A)を消す |
| 問い合わせごとに最適なモデルを選ぶ | インテリジェントプロンプトルーティングが同一ファミリーの 2 モデルを品質差のしきい値で切り替える →選択肢(D)が正解 |
ひっかけポイント
- クロスリージョン推論は「分散」という語感からコスト最適化に見えるが、目的はスロットリング回避とスループット向上。単価は変わらず、大型モデルを使い続ける限り請求は減らない
- セマンティックキャッシュは実在する有効策なので選びたくなるが、ElastiCache 上に自前でキャッシュ層を構築する設計であり「マネージド機能で」という制約に反する。毎回状況が違う 35% にも効かない
- SageMaker AI の分類モデルは一見「難易度判定」に合致するが、Bedrock に同等のマネージド機能がある以上は過剰。判定した後にどのモデルへ送るかも自前実装が必要
- インテリジェントプロンプトルーティングは同一モデルファミリー内の 2 モデルが前提で、英語プロンプトで最適化されている点も押さえておく。異なるプロバイダーのモデル間を自由に振り分ける機能ではない
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「まったく同じ質問が繰り返し寄せられ、回答も変わらない」 | プロンプトキャッシュやセマンティックキャッシュによるトークン削減が正解軸に。 |
| 「特定の時間帯にスロットリング(ThrottlingException)が多発する」 | クロスリージョン推論プロファイルやプロビジョンドスループットが正解に。 |
| 「大量の問い合わせをまとめて夜間に一括処理すればよい(即時応答は不要)」 | Bedrock のバッチ推論(低単価)が正解軸に。 |
| 「自社データで小型モデルの精度を底上げしてから安く運用したい」 | モデル蒸留(Model Distillation)やファインチューニングが正解に。 |
| 「振り分けの判断基準を業務ルールで細かく制御したい」 | 自前のルーター(Lambda + 分類器)や Bedrock Agent のオーケストレーションが選択肢に浮上。 |
リファレンス
この問題を解くために必要な知識を扱う公式ドキュメントです。| 知識項目 | 公式ドキュメント |
|---|---|
| Bedrock のインテリジェントプロンプトルーティング | Amazon Bedrock のインテリジェントプロンプトルーティング |
AWSのマネージド機能を使ってこれを実現するアーキテクチャパターンはどれか。
- Amazon Bedrock のクロスリージョン推論を有効化し、大型モデルへのリクエストを東京リージョン (ap-northeast-1) と大阪リージョン (ap-northeast-3) に分散させてスループットを高める
- Amazon ElastiCache でセマンティックキャッシュを構築し、過去に処理した問い合わせのベクトルと回答を保存して意味的に類似する新規の問い合わせに再利用する
- Amazon SageMaker AI で軽量な分類モデルを学習・ホストし、問い合わせの難易度を事前判定したうえで基盤モデルの呼び出し要否を振り分ける
- Amazon Bedrock のインテリジェントプロンプトルーティングを有効化し、プロンプトの特徴に応じて定型的な質問は小型モデルへ、高度な判断を要する質問は大型モデルへ自動的に振り分けるよう設定する
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