AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
データエンジニア-アソシエイト
問題文と選択肢
このデータを取り出す抽出処理は AWS Step Functions で構築されており、一時的な取得失敗に対する Retry や Catch による再実行の仕組みが組み込まれています。
このユースケースにおいて、最もコスト効率の高いストレージクラスはどれですか。
- Amazon S3 標準
- Amazon S3 標準-IA
- Amazon S3 One Zone-IA
- Amazon S3 Glacier Flexible Retrieval
A. Amazon S3 標準
S3 標準は、頻繁にアクセスされるデータのための既定のクラスで、ミリ秒アクセスと 3 つ以上のアベイラビリティーゾーンへの冗長化を提供します。要件そのものは満たします。
しかし本問のデータは年に 2 回程度しかアクセスされず、総量は約 300 テラバイトです。この規模で最も割高な保存料金を払い続けるのは、「最もコスト効率が高い」という設問の判断軸に反します。
「要件は満たすが最適ではない」典型的な誤答です。
B. Amazon S3 標準-IA
正解です。S3 標準-IA はアクセス頻度は低いが、必要なときにはミリ秒単位で即座に取り出したいデータのためのクラスです。保存料金は S3 標準より大幅に安く、耐久性・可用性は3 つ以上のアベイラビリティーゾーンに支えられています。
公式ドキュメントでも標準-IA は「プライマリデータ、または再作成できないデータ」に使うクラスと位置付けられており、再生成困難な観測データという本問の条件に合致します。
GB 単位の取り出し料金は発生しますが、アクセスが年 2 回であれば保存料金の削減額が大きく上回ります。
C. Amazon S3 One Zone-IA
S3 One Zone-IA は標準-IA より約 20% 安く、ミリ秒アクセスも可能なため一見魅力的です。
しかしデータは単一のアベイラビリティーゾーンにしか保存されず、そのゾーンが失われるとデータも失われます。公式ドキュメントでも「再作成可能なデータ」向けと明記されています。
本問のデータは再生成が困難な独自の観測データであり、300 テラバイトを単一 AZ に置くのは許容できません。コストの安さで飛びつかせる誤答です。
D. Amazon S3 Glacier Flexible Retrieval
S3 Glacier Flexible Retrieval は年 1 回程度しかアクセスしないアーカイブ向けで、保存料金は最も安い部類です。アクセス頻度「年 2 回」だけを見ると条件に合うように思えます。
しかしオブジェクトはアーカイブ状態で保管され、取り出しには復元(restore)操作と数分〜数時間が必要です。本問は「参照する際には常にミリ秒単位で即座に取り出せる必要がある」と明記しており、この時点で失格です。
問題文の「Step Functions に Retry や Catch がある」という記述に引きずられて選ばせる作りになっていますが、再試行は一時的なエラーへの対処であって、復元完了まで待つ仕組みではありません。
「ミリ秒で即時」と書かれた時点で Glacier は全滅。再生成できないなら One Zone-IA も選べない。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| 参照時には常にミリ秒単位で即座に取り出す必要がある | 復元操作が必要なアーカイブ系クラスは即失格。取り出しに数分〜数時間かかる →選択肢(D)を消す |
| 再生成が困難な独自の観測データ(約 300 テラバイト) | 単一 AZ の One Zone-IA は「再作成可能なデータ」向け。消失時に復旧手段がない →選択肢(C)を消す |
| アクセスは年 2 回程度と極めて低頻度 | 常時アクセス前提の標準は保存料金が最も高く、300 テラバイト規模では差が決定的になる →選択肢(A)を消す |
| 低頻度 × ミリ秒アクセス × 複数 AZ の耐久性 × 最小コスト | この 4 条件を同時に満たすのが S3 標準-IA。取り出し料金は年 2 回なら十分に元が取れる →選択肢(B)が正解 |
ひっかけポイント
- 「Step Functions に Retry / Catch がある」という記述は、Glacier の復元待ちを許容できる根拠に見せかけた囮。再試行は一時的エラーへの対処で、非同期の復元時間を吸収する仕組みではない
- 「年 2 回しかアクセスしない」だけを読むと Glacier Flexible Retrieval が最適に見えるが、「常にミリ秒単位で即座に」の一文が取り出し方式を縛っている
- 300 テラバイトという規模は One Zone-IA の 20% 割引を魅力的に見せる。しかし判断基準は割引率ではなくデータが再生成できるか否か
- S3 標準-IA には最低保存期間 30 日と 128 KB の最小課金オブジェクトサイズがある。細かいファイルを大量に置くケースでは、この制約でコストメリットが消えることがある
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「選択肢に S3 Glacier Instant Retrieval が含まれている」 | 四半期に 1 回程度の超低頻度+ミリ秒取り出しならそちらが標準-IA より安く、正解が入れ替わる。 |
| 「前処理結果は元の衛星画像から再生成できる」 | S3 One Zone-IA が最安の妥当解として正解になる。 |
| 「取り出しに数時間かかっても構わない/監査時のみ復元する」 | S3 Glacier Flexible Retrieval や Glacier Deep Archive が正解軸に。 |
| 「アクセス頻度が読めない・時期によって変動する」 | S3 Intelligent-Tiering が正解に浮上する。 |
| 「新規データは頻繁に、一定期間後に低頻度へ移したい」 | S3 ライフサイクルルールによる段階的な移行の設計が問われる。 |
リファレンス
この問題を解くために必要な知識を扱う公式ドキュメントです。| 知識項目 | 公式ドキュメント |
|---|---|
| S3 ストレージクラスごとの用途・取り出し時間・耐久性(AZ 数) | Amazon S3 ストレージクラスの理解と管理 |
このデータを取り出す抽出処理は AWS Step Functions で構築されており、一時的な取得失敗に対する Retry や Catch による再実行の仕組みが組み込まれています。
このユースケースにおいて、最もコスト効率の高いストレージクラスはどれですか。
- Amazon S3 標準
- Amazon S3 標準-IA
- Amazon S3 One Zone-IA
- Amazon S3 Glacier Flexible Retrieval
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