AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
DevOpsエンジニア-プロフェッショナル
問題文と選択肢
DevOpsエンジニアがこのスタックを正常な状態(UPDATE_ROLLBACK_COMPLETE)に戻すために取るべきアクションを2つ選んでください。
- 削除されたキャッシュクラスターをスタックが想定する状態に一致するよう手動で作成し直すか、スタック定義と整合するように修正する。
- AWS CloudFormation StackSetsを使って対象リージョンのスタックを自動的に再作成し、問題を解消する。
- スタックポリシーを一時的に解除してCloudFormationにリソースの強制再作成権限を付与し、自動ロールバックを再実行させる。
- ContinueUpdateRollbackコマンドを実行し、ロールバック処理の続行を指示する。
- スタックのドリフト検出を実行し、検出された差分をもとに自動的にリソースを修復する。
A. 削除されたキャッシュクラスターをスタックが想定する状態に一致するよう手動で作成し直すか、スタック定義と整合するように修正する。
正解。CloudFormation は、ロールバック先のリソースが実在することを前提に処理を再開します。手動で削除されたキャッシュクラスターを元のスタックが設定していたものと同じ名前・プロパティで作成し直すと、スタックの想定と実体が一致し、ロールバックを完走できるようになります。
どうしても復元できない場合は、ContinueUpdateRollback の ResourcesToSkip で当該リソースをスキップする方法も用意されていますが、その場合はロールバック完了後にテンプレートとの整合を取り直す必要があります。
いずれにせよ、失敗の原因そのものを解消することが復旧の第一歩です。
B. AWS CloudFormation StackSetsを使って対象リージョンのスタックを自動的に再作成し、問題を解消する。
AWS CloudFormation StackSets は、複数のアカウント・リージョンへ同一のスタックをまとめて展開するための仕組みであり、既存スタックが陥った UPDATE_ROLLBACK_FAILED を解消する機能はありません。
別のスタックを新たに作っても、失敗しているスタック自体は UPDATE_ROLLBACK_FAILED のまま残り、更新も削除もできない不整合なスタックが増えるだけです。
単一スタックの状態復旧の手段としては筋違いです。
C. スタックポリシーを一時的に解除してCloudFormationにリソースの強制再作成権限を付与し、自動ロールバックを再実行させる。
スタックポリシーはスタック更新時に特定のリソースを保護(更新・置換・削除を拒否)するための仕組みで、解除したところで CloudFormation に「リソースを強制再作成する権限」が生まれるわけではありません(権限は IAM の話であってスタックポリシーの役割ではありません)。
また、UPDATE_ROLLBACK_FAILED からロールバックを再開できる操作は ContinueUpdateRollback だけで、ポリシーを外しても自動ロールバックがやり直されることはありません。
「権限を与えれば自動で直る」という語感に引きずられやすい誤答です。
D. ContinueUpdateRollbackコマンドを実行し、ロールバック処理の続行を指示する。
正解。ContinueUpdateRollback(コンソールの「更新のロールバックを続行」、AWS CLI の continue-update-rollback)は、失敗した箇所からロールバックを再開するための専用操作です。
原因を取り除いた状態で実行すると、スタックは UPDATE_ROLLBACK_IN_PROGRESS を経て UPDATE_ROLLBACK_COMPLETE へ遷移し、再び更新できる状態に戻ります。
逆に、原因を解消しないまま実行すると同じ箇所で再び失敗するため、選択肢 A とセットで初めて成立する点が重要です。
E. スタックのドリフト検出を実行し、検出された差分をもとに自動的にリソースを修復する。
ドリフト検出は、スタックのリソースがテンプレートの定義からどれだけ乖離しているかを検出するだけの機能で、検出した差分を自動的に修復することはありません。
削除済みのリソースを DELETED として検出できたとしても、CloudFormation が代わりに作り直してくれるわけではなく、スタックの状態も UPDATE_ROLLBACK_FAILED のままです。
「検出=修復」と読み替えさせる典型的なひっかけです。
UPDATE_ROLLBACK_FAILED は「原因を直してから ContinueUpdateRollback」。別の操作を足しても前には進まない。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| スタックが UPDATE_ROLLBACK_FAILED で停止している | この状態から前へ進められる操作は ContinueUpdateRollback だけ。新しいスタックを作っても元のスタックの状態は変わらない →選択肢(D)が正解、選択肢(B)を消す |
| ロールバック対象のキャッシュクラスターがコンソールから手動削除された | 失敗の原因はスタックの想定と実体の食い違い。同じ名前・プロパティで作り直すか ResourcesToSkip でスキップして解消する →選択肢(A)が正解 |
| 目標は UPDATE_ROLLBACK_COMPLETE へ戻すこと | ドリフト検出は差分を検出するだけで修復しないため、スタックの状態は 1 ミリも動かない →選択肢(E)を消す |
| CloudFormation にリソースを直させたい、という発想の切り分け | スタックポリシーは更新時の保護設定であり、IAM 権限でもロールバックの再実行手段でもない →選択肢(C)を消す |
| 復旧手順の順序 | 原因の解消が先、ContinueUpdateRollback が後。順序が逆だと同じ箇所で再び失敗する →選択肢(A・D)が正解 |
ひっかけポイント
- 「ContinueUpdateRollback さえ実行すれば直る」と考えがちだが、削除されたリソースを手当てしない限り同じ箇所で再び失敗する。原因の解消とセットで初めてロールバックが完了する
- 選択肢 E のドリフト検出は「差分を見つける」ところまでが仕事で、自動修復は行わない。自動修復まで担うのは AWS Config のルールと修復アクションであり、両者を混同させる罠
- 選択肢 C の「スタックポリシーを解除」はリソース保護を外す操作であって、ロールバックの再実行とは無関係。スタックポリシー=更新時の保護、IAM=権限と切り分ける
- UPDATE_ROLLBACK_FAILED のスタックは更新も削除もできない状態。作り直し系(StackSets での再作成など)は復旧手段にならないことを押さえる
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「削除されたリソースをどうしても復元できない」 | ContinueUpdateRollback の ResourcesToSkip で当該リソースをスキップし、完了後にテンプレートとの整合を取る手順が正解軸に。 |
| 「スタックが初回作成に失敗して ROLLBACK_COMPLETE のまま残っている」 | 続行ではなくスタックの削除と再作成が正解軸に(この状態からは更新できない)。 |
| 「更新失敗時に自動でロールバックさせず、失敗した状態のまま調査したい」 | スタック更新時の DisableRollback(--disable-rollback)指定が正解軸に。 |
| 「スタック外での手動変更そのものを検知・抑止したい」 | ドリフト検出の定期実行と、IAM やスタックポリシーによる直接操作の禁止が正解軸に。 |
| 「ロールバック中にリソースの安定化待ちでタイムアウトして失敗した」 | 原因(ヘルスチェック失敗・cfn-signal の未送信など)の是正後に ContinueUpdateRollback、という同じ型で解ける。 |
リファレンス
この問題を解くために必要な知識を扱う公式ドキュメントです。| 知識項目 | 公式ドキュメント |
|---|---|
| UPDATE_ROLLBACK_FAILED からの復旧(手動削除されたリソースの扱いと ContinueUpdateRollback) | CloudFormation のトラブルシューティング |
DevOpsエンジニアがこのスタックを正常な状態(UPDATE_ROLLBACK_COMPLETE)に戻すために取るべきアクションを2つ選んでください。
- 削除されたキャッシュクラスターをスタックが想定する状態に一致するよう手動で作成し直すか、スタック定義と整合するように修正する。
- AWS CloudFormation StackSetsを使って対象リージョンのスタックを自動的に再作成し、問題を解消する。
- スタックポリシーを一時的に解除してCloudFormationにリソースの強制再作成権限を付与し、自動ロールバックを再実行させる。
- ContinueUpdateRollbackコマンドを実行し、ロールバック処理の続行を指示する。
- スタックのドリフト検出を実行し、検出された差分をもとに自動的にリソースを修復する。
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