AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
DevOpsエンジニア-プロフェッショナル
問題文と選択肢
最小の開発工数で要件を満たす方法はどれですか。
- Amazon EventBridgeルールを15分ごとにトリガーし、ターゲットのAWS Lambda関数がCloudWatchのAPIを呼び出してメトリクスをエクスポートし、Amazon Timestream for InfluxDBに保存する。可視化にはAmazon Managed Grafanaのダッシュボードを使用する。
- CloudWatchメトリクスストリームを作成し、Amazon Data Firehose配信ストリームへ送る。FirehoseですべてのメトリクスデータをAmazon S3に格納し、Amazon Athenaで期間を指定してクエリしたうえで、Amazon QuickSightダッシュボードで可視化する。
- Amazon CloudWatch Logsのロググループの保持期間を「失効しない」に設定し、メトリクスフィルターでログからカスタムメトリクスを生成する。生成したカスタムメトリクスをCloudWatchダッシュボードに配置し、6年前まで遡って可視化する。
- Amazon EventBridgeルールを15分ごとにトリガーし、ターゲットのAWS Lambda関数がCloudWatchのAPIを呼び出してメトリクスをエクスポートし、Amazon S3に格納する。そのS3のデータを直接データソースとしてCloudWatchダッシュボードを作成し可視化する。
A. Amazon EventBridgeルールを15分ごとにトリガーし、ターゲットのAWS Lambda関数がCloudWatchのAPIを呼び出してメトリクスをエクスポートし、Amazon Timestream for InfluxDBに保存する。可視化にはAmazon Managed Grafanaのダッシュボードを使用する。
EventBridge で 15 分ごとに Lambda を起動し、GetMetricData / ListMetrics などの API でメトリクスを取り出して時系列データベースへ書き込む構成。6 年分の保存自体は実現できるが、対象メトリクスの列挙、API のページング、スロットリング時のリトライ、書き込み失敗の補償までをすべて自前のコードで実装・保守することになる。
さらに Amazon Managed Grafana のワークスペースとデータソース設定も別途必要で、「最小の開発工数」という判断軸では選択肢 B に明確に劣る。
B. CloudWatchメトリクスストリームを作成し、Amazon Data Firehose配信ストリームへ送る。FirehoseですべてのメトリクスデータをAmazon S3に格納し、Amazon Athenaで期間を指定してクエリしたうえで、Amazon QuickSightダッシュボードで可視化する。
CloudWatch メトリクスストリームは、CloudWatch のメトリクスを Amazon Data Firehose へ準リアルタイムに継続配信するマネージド機能で、設定だけで済み Lambda のコードもスケジュール管理も不要。
Firehose がバッファリングして Amazon S3 に書き出すため、保持期間に上限のない S3 側で 6 年分を蓄積でき、CloudWatch の 15 か月の壁を越えられる。
蓄積したデータは Amazon Athena で期間を指定してクエリし、Amazon QuickSight で可視化できる。マネージドサービスの組み合わせだけで要件を満たす、最小工数の解。
C. Amazon CloudWatch Logsのロググループの保持期間を「失効しない」に設定し、メトリクスフィルターでログからカスタムメトリクスを生成する。生成したカスタムメトリクスをCloudWatchダッシュボードに配置し、6年前まで遡って可視化する。
CloudWatch Logs のロググループの保持期間を「失効しない」にできるのは事実だが、ログの保持期間とメトリクスの保持期間は別物。
メトリクスフィルターが生成するのは CloudWatch のカスタムメトリクスであり、他のメトリクスと同じ保持ルール(1 時間解像度で 455 日 = 15 か月)で失効するため、6 年前まで遡った可視化はできない。
そもそも AWS サービスが発行するメトリクスはロググループに出力されないので、対象メトリクス全体をカバーすることもできない。
D. Amazon EventBridgeルールを15分ごとにトリガーし、ターゲットのAWS Lambda関数がCloudWatchのAPIを呼び出してメトリクスをエクスポートし、Amazon S3に格納する。そのS3のデータを直接データソースとしてCloudWatchダッシュボードを作成し可視化する。
Lambda で自作エクスポートする点は選択肢 A と同じく開発工数が大きいうえ、CloudWatch ダッシュボードは Amazon S3 上のオブジェクトをデータソースにできない。
ダッシュボードが扱えるのは CloudWatch のメトリクス・ログ・アラーム等であり、S3 に貯めた JSON や Parquet を直接描画する機能は存在しない。
S3 上のデータを可視化するなら Athena(+QuickSight や Grafana)を挟む必要があり、この構成のままでは要件を満たせない。
構成図
Amazon CloudWatch メトリクス(保持は最大15か月)
│ メトリクスストリーム(コード不要・準リアルタイム)
▼
Amazon Data Firehose ──バッファして配信──▶ Amazon S3(6年分を蓄積)
│
▼
Amazon Athena(期間指定クエリ)
│
▼
Amazon QuickSight(可視化)
CloudWatch メトリクスは 15 か月で消える。長期保存はメトリクスストリーム → Firehose → S3 が定石。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| メトリクスを最大 6 年前まで遡って可視化する | CloudWatch のメトリクス保持は最大 15 か月(1 時間解像度で 455 日)。CloudWatch 内で完結させる案は成立しない →選択肢(C)を消す |
| 最小の開発工数で実現する(判断軸) | API を叩いてエクスポートするLambda の自作コードは、リトライ・ページング・スケジュール管理まで抱え込む →選択肢(A・D)を消す |
| メトリクスを CloudWatch の外へ継続的に取り出す | CloudWatch メトリクスストリーム+Amazon Data Firehose は設定だけで S3 へ準リアルタイム配信できる →選択肢(B)が正解 |
| 保存したデータを期間を指定して可視化する | S3 のデータは Athena でクエリ → QuickSight で可視化。CloudWatch ダッシュボードは S3 を直接参照できない →選択肢(D)を消す・選択肢(B)が正解 |
ひっかけポイント
- 「CloudWatch Logs の保持期間は失効しないに設定できる」は事実だが論点がずれている。ログを永久保存しても、メトリクスフィルターで生成したカスタムメトリクスは15 か月で失効する
- 選択肢 A・D の「EventBridge + Lambda で 15 分ごとにエクスポート」は実現可能なだけに紛らわしい。設問の判断軸は最小の開発工数であり、「できるか」ではなく「作り込みが要るか」で切る
- 「S3 のデータを直接データソースとして CloudWatch ダッシュボードを作成」は存在しない機能。S3 上のデータの可視化は Athena や QuickSight の役割
- 時系列データベースへ入れ直す選択肢 A は構築物が増えるうえ、Amazon Timestream for LiveAnalytics は 2025 年 6 月 20 日に新規のお客様への提供を終了している。新規設計で時系列 DB に飛びつかない
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「メトリクスを Datadog や New Relic などのサードパーティへ送りたい」 | 同じメトリクスストリームで、Firehose の送信先をパートナーの HTTP エンドポイントにする構成が正解軸に。 |
| 「6 年分のログを保持したい」 | CloudWatch Logs の保持期間を「失効しない」にする/S3 へエクスポートしてライフサイクルで Glacier へ、が正解軸に。 |
| 「メトリクスを 3 か月前まで見られればよい」 | 追加構成は不要。CloudWatch の標準保持(1 分=15 日、5 分=63 日、1 時間=455 日)で足りる。 |
| 「S3 に貯めたメトリクスを、既存の Grafana ダッシュボードで見たい」 | Athena をデータソースにした Amazon Managed Grafana の構成も成立する(QuickSight でなくてもよい)。 |
| 「メトリクスではなく数秒単位の高解像度データを長期に残したい」 | 高解像度(60 秒未満)の保持は3 時間しかないため、より短い周期でのストリーミング取り出しが前提になる。 |
リファレンス
この問題を解くために必要な知識を扱う公式ドキュメントです。| 知識項目 | 公式ドキュメント |
|---|---|
| CloudWatch メトリクスの保持期間(最大 15 か月) | メトリクスの概念 - Amazon CloudWatch |
| メトリクスストリームによる長期保存(Firehose 経由で S3 へ) | メトリクスストリームを使用する - Amazon CloudWatch |
| Amazon Data Firehose の Amazon S3 への配信 | Amazon Data Firehose とは何ですか? |
最小の開発工数で要件を満たす方法はどれですか。
- Amazon EventBridgeルールを15分ごとにトリガーし、ターゲットのAWS Lambda関数がCloudWatchのAPIを呼び出してメトリクスをエクスポートし、Amazon Timestream for InfluxDBに保存する。可視化にはAmazon Managed Grafanaのダッシュボードを使用する。
- CloudWatchメトリクスストリームを作成し、Amazon Data Firehose配信ストリームへ送る。FirehoseですべてのメトリクスデータをAmazon S3に格納し、Amazon Athenaで期間を指定してクエリしたうえで、Amazon QuickSightダッシュボードで可視化する。
- Amazon CloudWatch Logsのロググループの保持期間を「失効しない」に設定し、メトリクスフィルターでログからカスタムメトリクスを生成する。生成したカスタムメトリクスをCloudWatchダッシュボードに配置し、6年前まで遡って可視化する。
- Amazon EventBridgeルールを15分ごとにトリガーし、ターゲットのAWS Lambda関数がCloudWatchのAPIを呼び出してメトリクスをエクスポートし、Amazon S3に格納する。そのS3のデータを直接データソースとしてCloudWatchダッシュボードを作成し可視化する。
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