AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
セキュリティ-専門知識
問題文と選択肢
セキュリティスペシャリストとして推奨すべき対応はどれか。
- AWS Backup が自動的に保存しているスナップショットから、削除されたカスタマー管理キーを新しいキーとして復元する
- ルートユーザーとしてサインインすれば、削除がスケジュールされたカスタマー管理キーを特別な権限で即座に復元できる
- 猶予期間の 14 日はまだ経過しておらず、キーは「保留中の削除」ステータスのままであるため、キー削除のスケジュールをキャンセルして復旧する
- 契約しているサポートプランに関わらず AWS サポートへ連絡し、削除されたキーのマスターコピーを提供してもらう
A. AWS Backup が自動的に保存しているスナップショットから、削除されたカスタマー管理キーを新しいキーとして復元する
AWS Backup が保護するのはボリュームやデータベースなどのデータリソースであり、KMS のカスタマー管理キーそのものをバックアップ・復元する機能はありません。
キーマテリアルは KMS の外へ取り出せない設計(インポートしたキーマテリアルを除く)で、スナップショットから「新しいキーとして復元する」という操作は存在しません。
なお仮に新しいキーを作っても、古いキーで暗号化されたデータは復号できません。
B. ルートユーザーとしてサインインすれば、削除がスケジュールされたカスタマー管理キーを特別な権限で即座に復元できる
ルートユーザーはアカウント内で最も強い権限を持ちますが、削除保留中のキーを「特別な権限で即座に復元する」ような専用の機能はありません。
復旧手段はあくまで CancelKeyDeletion という通常の API であり、適切な権限があれば IAM ユーザーやロールでも実行できます。ルートユーザーであることは条件ではありません。
C. 猶予期間の 14 日はまだ経過しておらず、キーは「保留中の削除」ステータスのままであるため、キー削除のスケジュールをキャンセルして復旧する
AWS KMS はキーを即時削除せず、7〜30 日(既定 30 日)の待機期間を設けて「削除保留中」の状態にします。本問では 14 日の待機期間を設定して 10 日目に気付いたため、まだ待機期間内です。
この間はキーによる暗号化・復号はできないものの、キー自体は削除されていないため、キー削除のスケジュールをキャンセル(CancelKeyDeletion)すれば復旧できます。
キャンセル直後のキーは「無効(Disabled)」状態になるので、あらためて有効化(EnableKey)すれば S3 の配送伝票データを再び復号できます。誤操作に気付くための猶予として用意された仕組みで、この待機期間こそが KMS の削除設計の要点です。
D. 契約しているサポートプランに関わらず AWS サポートへ連絡し、削除されたキーのマスターコピーを提供してもらう
待機期間が満了してキーが完全に削除された場合、AWS サポートを含め誰もキーを復元できません。AWS がカスタマー管理キーのマスターコピーを保持していることはなく、「提供してもらう」という対応は存在しません。
本問はまだ待機期間内なので、そもそもサポートに問い合わせる前に自分でキャンセルすれば済みます。
KMS キーは待機期間中なら取り消せる(CancelKeyDeletion)。期間が過ぎたら誰にも復元できない。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| 14 日の待機期間を設定し、削除から 10 日後に判明した | まだ待機期間内=キーは「削除保留中」で実体は残っているという状況把握が出発点 →選択肢(C)が正解 |
| キー削除の取り消し手段 | CancelKeyDeletion でスケジュールを取り消し、その後 EnableKey で有効化する →選択肢(C)が正解、選択肢(B)を消す |
| KMS キーはバックアップできるか | キーマテリアルは KMS 外へ出ない。AWS Backup の保護対象ではない →選択肢(A)を消す |
| 待機期間が満了したらどうなるか | 完全に削除され、AWS サポートでも復元不可。暗号化データは復号できなくなる →選択肢(D)を消す |
| 権限の観点 | 復旧に必要なのは kms:CancelKeyDeletion 権限であり、ルートユーザーである必要はない →選択肢(B)を消す |
ひっかけポイント
- 「削除操作を行ってしまった」という表現からすでに消えたと早合点させるのが本問の罠。KMS の削除は必ず待機期間つきのスケジュールであり、期間内なら取り消せる
- 待機期間は7〜30 日の範囲で指定でき、既定は 30 日。本問のように 14 日など短く設定されていると「もう間に合わない」と錯覚しやすいので、経過日数と待機期間を必ず突き合わせる
- 「ルートユーザーなら何でもできる」(選択肢 B)「AWS サポートに頼めば何とかなる」(選択肢 D)はいずれも定番の誤答パターン。KMS にルート専用のキー復旧操作は無く、AWS が削除済みキーのコピーを持つこともない
- 削除保留中のキーは暗号化・復号に使えない点も要注意。キャンセル後は Disabled になるため、有効化まで行わないと復号は再開できない
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「待機期間が満了してキーが完全に削除された」 | 復旧手段は無く、暗号化データは永久に復号不可。正解は「復旧できない」旨の選択肢に変わる。 |
| 「削除ではなく誤って無効化(Disable)してしまった」 | EnableKey ですぐ復旧できる(待機期間の話は出てこない)。 |
| 「そもそも誤削除を検知したい」 | CloudTrail の ScheduleKeyDeletion イベントを EventBridge で拾って通知する構成が正解軸に。 |
| 「削除操作自体をできないようにしたい」 | キーポリシーや SCP で kms:ScheduleKeyDeletion を Deny する統制が正解軸に。 |
| 「キーの侵害が疑われるので鍵を切り替えたい」 | 削除ではなくキーローテーション、または新しいキーでの再暗号化が正解軸に。 |
セキュリティスペシャリストとして推奨すべき対応はどれか。
- AWS Backup が自動的に保存しているスナップショットから、削除されたカスタマー管理キーを新しいキーとして復元する
- ルートユーザーとしてサインインすれば、削除がスケジュールされたカスタマー管理キーを特別な権限で即座に復元できる
- 猶予期間の 14 日はまだ経過しておらず、キーは「保留中の削除」ステータスのままであるため、キー削除のスケジュールをキャンセルして復旧する
- 契約しているサポートプランに関わらず AWS サポートへ連絡し、削除されたキーのマスターコピーを提供してもらう
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