AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル
問題文と選択肢
- AWS Direct Connectリンクにパブリック仮想インターフェイス(Public VIF)を作成します。Amazon S3などのAWSパブリックサービス宛の静的ルートをDirect Connect経由で設定し、BGPを使用してAWSにデフォルトルート(0.0.0.0/0)をアドバタイズします。
- AWS Direct Connectリンクにプライベート仮想インターフェイス(Private VIF)を作成します。VPC内にAmazon S3を指す静的ルートを設定し、オンプレミスネットワーク宛の特定ルートをVPC側に設定します。
- AWS Direct Connectリンクにパブリック仮想インターフェイス(Public VIF)を作成します。AWSからアドバタイズされたBGPルートを既存のルーティングインフラストラクチャに再配布し、オンプレミスネットワークの特定ルートのみをAWSにアドバタイズします。
- AWS Direct Connectリンクにプライベート仮想インターフェイス(Private VIF)を作成します。AWSからアドバタイズされたBGPルートを既存のルーティングインフラストラクチャに再配布し、デフォルトルート(0.0.0.0/0)をAWSにアドバタイズします。
A. AWS Direct Connectリンクにパブリック仮想インターフェイス(Public VIF)を作成します。Amazon S3などのAWSパブリックサービス宛の静的ルートをDirect Connect経由で設定し、BGPを使用してAWSにデフォルトルート(0.0.0.0/0)をアドバタイズします。
パブリック VIF を使う点は正しいが、Direct Connect の仮想インターフェイスは BGP セッションが前提で、静的ルートで構成するものではない。
さらに致命的なのは AWS 側へデフォルトルート(0.0.0.0/0)をアドバタイズする点で、これは「AWS から見た全インターネット宛の戻り/発信トラフィックを自社経由に引き込む」ことを意味し、そもそもパブリック VIF では自社が所有するパブリック IP プレフィックスのアドバタイズが必須で 0.0.0.0/0 は受け付けられない。
「一般的なインターネットトラフィックは既存 ISP を使い続ける」という要件にも反する。
B. AWS Direct Connectリンクにプライベート仮想インターフェイス(Private VIF)を作成します。VPC内にAmazon S3を指す静的ルートを設定し、オンプレミスネットワーク宛の特定ルートをVPC側に設定します。
プライベート VIF は仮想プライベートゲートウェイ/Direct Connect ゲートウェイ経由で VPC 内のプライベート IP リソースに到達するためのもので、S3 などの AWS パブリックサービスエンドポイントへは到達できない。
「VPC 内に Amazon S3 を指す静的ルートを設定」という記述自体が成立せず(S3 は VPC 内のリソースではない)、構成として誤り。
プライベート VIF で S3 へ到達したい場合は、VPC 内の S3 用インターフェイスエンドポイント(AWS PrivateLink)を経由させる設計が別途必要になる。
C. AWS Direct Connectリンクにパブリック仮想インターフェイス(Public VIF)を作成します。AWSからアドバタイズされたBGPルートを既存のルーティングインフラストラクチャに再配布し、オンプレミスネットワークの特定ルートのみをAWSにアドバタイズします。
S3 などの AWS パブリックサービスエンドポイントに Direct Connect 経由で到達するにはパブリック仮想インターフェイス(Public VIF)を使う。AWS はパブリック VIF 上の BGP で AWS のパブリック IP プレフィックスをアドバタイズしてくるため、これを既存のルーティングインフラに再配布すれば、S3 宛のトラフィックだけが Direct Connect に乗る。
一方、オンプレミスから AWS へは自社のパブリックプレフィックス(特定ルート)だけをアドバタイズし、デフォルトルートは流さない。
結果として、AWS 宛は DX・それ以外のインターネット宛は既存 ISP という宛先ベースの経路分離が成立し、要件を過不足なく満たす。
D. AWS Direct Connectリンクにプライベート仮想インターフェイス(Private VIF)を作成します。AWSからアドバタイズされたBGPルートを既存のルーティングインフラストラクチャに再配布し、デフォルトルート(0.0.0.0/0)をAWSにアドバタイズします。
プライベート VIF では S3 などのパブリックサービスエンドポイントに到達できないという点で、まず誤り。
加えて AWS へデフォルトルート(0.0.0.0/0)をアドバタイズすると、本来 ISP に流したいトラフィックまで Direct Connect に引き込むことになり、「その他のインターネットトラフィックは既存 ISP リンクを使う」という要件に反する。
VIF の種類とアドバタイズするルートの2点が同時に誤っている選択肢。
構成図
オンプレミスルーター ├─ パブリック VIF(BGP でAWSのプレフィックスを受信)──▶ AWS Direct Connect ──▶ Amazon S3 等のパブリックサービス └─ それ以外の宛先 ─────────────────────────▶ 既存 ISP リンク ──▶ インターネット
S3 など AWS のパブリックサービスへ DX で行くならパブリック VIF。0.0.0.0/0 を流した瞬間、ISP 併用は破綻。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| Amazon S3 など AWS パブリックサービスへ DX 経由でアクセスしたい | パブリックサービスのエンドポイントに到達できるのはパブリック VIF だけ。プライベート VIF は VPC 内のプライベート IP 向け →選択肢(B・D)を消す |
| その他のインターネットトラフィックは既存 ISP を使い続けたい | AWS へ 0.0.0.0/0 をアドバタイズしないこと。デフォルトルートを流すと経路が DX に寄ってしまう →選択肢(A)を消す |
| AWS 側からどの経路情報を受け取るか | パブリック VIF では AWS が自身のパブリックプレフィックスを BGP でアドバタイズする。これを既存ルーティングに再配布すれば宛先ベースで DX に振り分けられる →選択肢(C)が正解 |
| オンプレミス側から AWS へ何をアドバタイズするか | 自社が所有するパブリック IP の特定ルートのみ。パブリック VIF はパブリックプレフィックスのアドバタイズが必須で、静的ルート構成もできない →選択肢(C)が正解 |
ひっかけポイント
- 選択肢 A は「パブリック VIF」まで合っているため正解に見えるが、デフォルトルート(0.0.0.0/0)を AWS にアドバタイズする一点で失格。VIF の種類だけでなくどちらの方向に何を広告するかまで読む
- 「S3 は VPC の外にあるパブリックサービス」という基本を外すと、プライベート VIF + 静的ルート(選択肢 B)がもっともらしく見える。プライベート VIF が届くのは VPC まで
- パブリック VIF は静的ルートではなく BGPで構成し、自社所有のパブリック IP プレフィックスをアドバタイズする必要がある。「静的ルート」という語が出たら疑う
- 「DX 経由にしたい宛先だけを DX に乗せる」=宛先ベースの経路分離。DX を引いたら全部 DX 経由になる、という思い込みが最大の罠
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「オンプレミスから S3 にプライベート IP で(インターネットの IP を使わず)接続したい」 | プライベート VIF + VPC の S3 インターフェイスエンドポイント(AWS PrivateLink)経由の構成が正解軸に。 |
| 「複数の VPC・複数アカウントへ 1 本の DX でつなぎたい」 | Direct Connect ゲートウェイ(+Transit VIF と Transit Gateway)の構成が正解軸に。 |
| 「AWS からのアドバタイズが多すぎるので、特定リージョンのプレフィックスだけ受け取りたい」 | BGP コミュニティタグによるルートフィルタリングが正解軸に。 |
| 「オンプレミスのインターネット出口も AWS 側に寄せたい」 | AWS 側へデフォルトルートを流す/AWS 側の NAT ゲートウェイや検査 VPC を経由させる設計(選択肢 A に近い構成)が正解になり得る。 |
| 「DX 障害時のバックアップ経路がほしい」 | Site-to-Site VPN をバックアップにする構成(BGP の AS_PATH / MED による優先度制御)が問われる。 |
リファレンス
この問題を解くために必要な知識を扱う公式ドキュメントです。| 知識項目 | 公式ドキュメント |
|---|---|
| Direct Connect の仮想インターフェイス種別(パブリック VIF とプライベート VIF の到達範囲) | AWS Direct Connect 仮想インターフェイス |
- AWS Direct Connectリンクにパブリック仮想インターフェイス(Public VIF)を作成します。Amazon S3などのAWSパブリックサービス宛の静的ルートをDirect Connect経由で設定し、BGPを使用してAWSにデフォルトルート(0.0.0.0/0)をアドバタイズします。
- AWS Direct Connectリンクにプライベート仮想インターフェイス(Private VIF)を作成します。VPC内にAmazon S3を指す静的ルートを設定し、オンプレミスネットワーク宛の特定ルートをVPC側に設定します。
- AWS Direct Connectリンクにパブリック仮想インターフェイス(Public VIF)を作成します。AWSからアドバタイズされたBGPルートを既存のルーティングインフラストラクチャに再配布し、オンプレミスネットワークの特定ルートのみをAWSにアドバタイズします。
- AWS Direct Connectリンクにプライベート仮想インターフェイス(Private VIF)を作成します。AWSからアドバタイズされたBGPルートを既存のルーティングインフラストラクチャに再配布し、デフォルトルート(0.0.0.0/0)をAWSにアドバタイズします。