Azure認定資格 WEB問題集&徹底解説
AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals
Azureサービスの一つであるAzure Virtual Machines (Azure 仮想マシン)はどんな内容なのでしょうか?また、Azure認定資格の AZ-900:Azure Fundamentals に合格するためには、サービスのどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?
ここでは、そんなあなたの疑問に回答していきたいと思います
1. サービス概要
Azure Virtual Machinesは、オンデマンドでスケーラブルなコンピューティングリソースを提供するInfrastructure as a Service (IaaS)です。 様々なOS (Windows, Linuxなど) を選択し、必要なスペック (CPU、メモリ、ストレージ) の仮想マシンを数分でデプロイできます。 アプリケーションの実行環境として、開発/テスト環境、本番環境、ディザスタリカバリ環境など、幅広い用途に利用可能です。
必要な時に必要な分だけリソースをプロビジョニングできるため、柔軟性とコスト効率に優れています。
2. 主な特徴と機能
2.1 仮想マシンの種類
Azure Virtual Machinesは、様々なワークロードに最適化された多様な種類を提供します。
- 汎用: バランスの取れたCPU、メモリ、ディスクを提供。開発/テスト、中小規模のデータベースなどに適しています。
- コンピューティング最適化: 高いCPU性能が要求されるワークロード (ゲームサーバー、ウェブサーバー) に適しています。
- メモリ最適化: 大量のメモリが必要なワークロード (キャッシュサーバー、大規模データベース) に適しています。
- ストレージ最適化: 高いI/O性能が要求されるワークロード (ビッグデータ分析、NoSQLデータベース) に適しています。
- GPU: グラフィックス処理や機械学習に適しています。
2.2 イメージ
Azure MarketplaceからOSイメージを選択、またはカスタムイメージを作成して利用できます。
2.3 拡張性
Virtual Machine Scale Sets を利用することで、負荷に応じて仮想マシンを自動的にスケールアウト/スケールインできます。
2.4 可用性
可用性セットや可用性ゾーンを利用することで、高可用性を実現できます。
2.5 ネットワーク
仮想マシンは、Azure Virtual Networkに接続され、プライベートIPアドレスまたはパブリックIPアドレスを持ちます。 ネットワークセキュリティグループ (NSG) で、仮想マシンのネットワークトラフィックを制御できます。
2.6 ストレージ
OSディスクとデータディスクとして、Azure Managed Disks (Standard HDD、Standard SSD、Premium SSD、Ultra Disks)を利用できます。
2.7 監視と管理
Azure Monitorを利用して、仮想マシンのパフォーマンスやヘルス状態を監視できます。 Azure Automationを利用して、仮想マシンの管理を自動化できます。
3. アーキテクチャおよび技術要素
- ユーザーがAzure Portal、CLI、PowerShell、SDKを介して仮想マシンをデプロイ/管理。
- 仮想マシンは、Azure Computeの物理サーバー上でハイパーバイザー (Hyper-V) によって実行。
- ストレージは、Azure Storageに分散保存。
- ネットワークは、Azure Virtual Networkによって提供。
- Azure Resource Manager (ARM) が、リソースのプロビジョニングと管理をオーケストレーション。
Azure Virtual Machinesは、他のAzureサービス (Azure Load Balancer, Azure Database, Azure App Serviceなど) と連携して、より複雑なアプリケーションアーキテクチャを構築できます。
4. セキュリティと認証・認可
- Azure Active Directory (Azure AD): 仮想マシンへの認証にAzure ADを利用可能。
- Azure Role-Based Access Control (RBAC): 仮想マシンへのアクセス権限を、ロールに基づいて付与/制限。
- Network Security Groups (NSG): 仮想マシンのネットワークトラフィックを制御。
- Azure Disk Encryption (ADE): OSディスクとデータディスクを暗号化。
- Azure Security Center/Microsoft Defender for Cloud: 脅威の検出と防御、セキュリティ推奨事項の提供。
5. 料金形態
Azure Virtual Machinesは主に以下に基づく従量課金モデルです:
- コンピューティング時間: 仮想マシンの実行時間に応じて課金。
- OSライセンス: Windows Serverなど、一部のOSにはライセンス料金が発生。
- ストレージ: Managed Disksの使用量に応じて課金。
- ネットワーク: データ転送料金が発生。
- 予約インスタンス: 1年または3年の予約を行うことで、大幅な割引を受けられる。
6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン
- Webアプリケーション: 仮想マシン上にWebサーバー (IIS, Apache) を構築し、Webアプリケーションをホスト。
- データベースサーバー: 仮想マシン上にデータベースサーバー (SQL Server, MySQL, PostgreSQL) を構築。
- 開発/テスト環境: 仮想マシンを開発/テスト環境として利用。
- ディザスタリカバリ: Azure Site Recoveryを利用して、オンプレミス環境からAzureへ仮想マシンをレプリケーションし、ディザスタリカバリ環境を構築。
- 仮想デスクトップインフラストラクチャ (VDI): Azure Virtual Desktopを利用して、仮想デスクトップ環境を提供。
7. 設定・デプロイ手順(ハンズオン例)
- Azure Portalで仮想マシンを作成(リソースグループ、仮想マシン名、リージョン、OSイメージ、サイズなどを指定)。
- 管理者アカウントを設定。
- ディスクの設定 (OSディスク、データディスク)。
- ネットワークの設定 (Virtual Network、サブネット、パブリックIPアドレス、NSG)。
- 拡張機能 (VM Extension) のインストール (アンチウイルス、監視エージェントなど)。
- 仮想マシンに接続し、アプリケーションをデプロイ。
8. 試験で問われやすいポイント
8.1 仮想マシンの種類と選択
- Q: 大量のメモリを必要とするワークロードに適した仮想マシンの種類は?
A: メモリ最適化。 - Q: GPUを利用した機械学習に適した仮想マシンの種類は?
A: GPU。
8.2 可用性とスケーラビリティ
- Q: 複数の仮想マシンを高可用性で展開するには?
A: 可用性セットまたは可用性ゾーンを利用。 - Q: 負荷に応じて仮想マシンを自動的にスケールするには?
A: Virtual Machine Scale Setsを利用。
8.3 ネットワークとセキュリティ
- Q: 仮想マシンのネットワークトラフィックを制御するには?
A: Network Security Groups (NSG) を利用。 - Q: 仮想マシンのディスクを暗号化するには?
A: Azure Disk Encryption (ADE) を利用。
8.4 ストレージ
- Q: 仮想マシンのOSディスクの種類は?
A: Azure Managed Disks (Standard HDD、Standard SSD、Premium SSD、Ultra Disks)。
8.5 拡張機能
- Q: 仮想マシンにアンチウイルスソフトをインストールするには?
A: VM Extensionを利用。
8.6 監視と管理
- Q: 仮想マシンのパフォーマンスを監視するには?
A: Azure Monitorを利用。 - Q: 仮想マシンの管理を自動化するには?
A: Azure Automationを利用。
8.7 コスト管理
- Q: 仮想マシンのコストを削減するには?
A: 予約インスタンスを利用、不要な仮想マシンを停止/削除、適切なサイズを選択。
8.8 その他細かな試験ポイント
- Azure Resource Manager (ARM) の役割
- 仮想マシンのデプロイモデル (Resource Manager デプロイメントモデル)
- 仮想マシンの状態 (Starting, Running, Stopping, Stopped, Deallocating, Deallocated)