Azure認定資格 WEB問題集&徹底解説
AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals
Azureサービスの一つであるAzure Filesはどんな内容なのでしょうか?また、Azure認定資格の AZ-900:Azure Fundamentals に合格するためには、サービスのどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?
ここでは、そんなあなたの疑問に回答していきたいと思います
1. サービス概要
Azure Files は、Microsoft Azure クラウドプラットフォーム上の、フルマネージドなファイル共有サービスです。 Azure Files を使用すると、標準の Server Message Block (SMB) プロトコルを使用して、クラウドでファイル共有を作成できます。 Azure Files は、オンプレミスのファイルサーバーをクラウドに移行したり、クラウドネイティブアプリケーションでファイル共有を使用したりするのに適しています。 Azure Files は、高い可用性、耐久性、およびセキュリティを提供し、さまざまなオペレーティングシステム (Windows、Linux、macOS) からアクセスできます。
Azure Files は、クラウドファイル共有のニーズに対応するための、シンプルで信頼性の高いソリューションです。
2. 主な特徴と機能
2.1 フルマネージド
Azure Files は、インフラストラクチャの管理を抽象化し、ファイルサーバーのプロビジョニング、メンテナンス、バックアップ、および復元などのタスクを Azure が担当します。
2.2 SMB プロトコル
Azure Files は、標準の SMB プロトコルを使用してファイル共有にアクセスできます。これにより、既存のアプリケーションを変更することなく、Azure Files を使用できます。
2.3 NFS プロトコル (Premium 層のみ)
Azure Files Premium 層では、NFS (Network File System) プロトコルもサポートされており、Linux ベースのアプリケーションに適しています。
2.4 アクセス層
Azure Files は、Premium、Hot、Cool の 3 つのアクセス層を提供します。アクセス頻度に基づいて、最適なアクセス層を選択することで、コストを最適化できます。
2.5 レプリケーション
Azure Files は、ローカル冗長ストレージ (LRS)、ゾーン冗長ストレージ (ZRS)、および geo 冗長ストレージ (GRS) など、さまざまなレプリケーションオプションを提供します。データの可用性と耐久性の要件に基づいて、最適なレプリケーションオプションを選択できます。
2.6 Azure File Sync
Azure File Sync を使用すると、オンプレミスのファイルサーバーを Azure Files と同期できます。これにより、オンプレミスのファイルサーバーのデータをクラウドにバックアップしたり、複数の場所でデータを共有したりできます。
2.7 スナップショット
Azure Files は、スナップショットをサポートしており、ファイル共有の特定の時点の状態を保持できます。これにより、誤って削除または変更されたファイルを復元できます。
2.8 Active Directory 統合
Azure Files は、オンプレミスの Active Directory または Azure Active Directory Domain Services (Azure AD DS) と統合できます。これにより、既存の Active Directory 資格情報を使用して、ファイル共有へのアクセスを制御できます。
3. アーキテクチャおよび技術要素
- ユーザーが Azure Portal、CLI、PowerShell、または SDK を介してストレージアカウント、ファイル共有を作成/管理。
- ユーザーは、アクセス層、レプリケーションオプション、認証方法などのストレージアカウント構成を指定。
- Azure Files サービスが、ファイル共有を自動的にプロビジョニング、管理、および保護。
- ファイル共有は、SMB プロトコル (または NFS プロトコル) を介してアクセス可能。
- Azure Files は、Azure Resource Manager (ARM) を使用して管理され、Azure の他のサービス (Azure File Sync、Azure Backup など) と統合できます。
4. セキュリティと認証・認可
- Azure Active Directory (Azure AD): Azure AD を使用して、ストレージアカウントへのアクセスを制御できます。
- Azure Role-Based Access Control (RBAC): RBAC を使用して、ストレージリソースへのアクセス権限を、ロールに基づいて付与/制限できます。
- ストレージアカウントキー: ストレージアカウントキーを使用して、ストレージアカウントへのアクセスを認証できます。
- Shared Access Signatures (SAS): SAS を使用して、ファイル共有への制限付きアクセスを提供できます。
- Active Directory 統合: Active Directory 資格情報を使用して、ファイル共有へのアクセスを認証できます。
- Azure Key Vault: Azure Key Vault を使用して、ストレージアカウントキーと SAS トークンを安全に管理できます。
- 転送時の暗号化: Azure Files は、転送時にデータを暗号化します。
- 保存時の暗号化: Azure Files は、保存時にデータを暗号化します。
- プライベートエンドポイント: プライベートエンドポイントを使用して、Azure Virtual Network からストレージアカウントへのプライベートアクセスを確立できます。
5. 料金形態
Azure Files は主に以下に基づく料金体系です:
- プロビジョニングされた容量: プロビジョニングされたファイル共有の容量に応じて課金 (GB/月)。
- 使用量: 実際に使用されたファイル共有の容量に応じて課金 (Premium 層のみ)。
- データ転送: ストレージアカウントとの間のデータ転送量に応じて課金。
- スナップショット: スナップショットのストレージ容量に応じて課金。
- ネットワーク: ネットワークトラフィックに応じて課金。
6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン
- ファイル共有: Azure Files を使用して、複数の仮想マシンやアプリケーション間でファイルを共有できます。
- オンプレミスのファイルサーバーの置き換え: Azure Files を使用して、オンプレミスのファイルサーバーをクラウドに移行できます。
- アプリケーションの共有構成: Azure Files を使用して、複数のアプリケーションインスタンス間で構成ファイルを共有できます。
- DevOps ツール: Azure Files を使用して、DevOps ツール (Jenkins、GitLab など) の永続ストレージを提供できます。
- 災害復旧: Azure Files を使用して、オンプレミスのファイルサーバーのデータをクラウドにバックアップできます。
7. 設定・デプロイ手順(ハンズオン例)
- Azure Portal、CLI、または PowerShell を使用して、リソースグループを作成。
- ストレージアカウントを作成 (名前、リージョン、パフォーマンスレベルなどを指定)。
- ファイル共有を作成。
- ファイルとディレクトリをアップロード、ダウンロード、または管理。
- アクセス層を設定。
- Active Directory 統合を構成。
- Azure File Sync を構成。
8. 試験で問われやすいポイント
8.1 Azure Files の基本的な概念
- Q: Azure Files とは何ですか?
A: Microsoft Azure クラウドプラットフォーム上の、フルマネージドなファイル共有サービスです。 - Q: Azure Files の主な利点は何ですか?
A: フルマネージド、SMB プロトコル、NFS プロトコル (Premium 層のみ)、アクセス層、レプリケーション。
8.2 アクセス層とレプリケーション
- Q: Azure Files のアクセス層の種類は何ですか?
A: Premium、Hot、Cool。 - Q: Azure Files のレプリケーションオプションの種類は何ですか?
A: LRS、ZRS、GRS。
8.3 認証
- Q: Azure Files へのアクセスを制御する方法は何ですか?
A: Azure Active Directory (Azure AD) 認証、ストレージアカウントキー、Shared Access Signatures (SAS)、Active Directory 統合を使用。
8.4 Azure File Sync
- Q: Azure File Sync とは何ですか?
A: オンプレミスのファイルサーバーを Azure Files と同期できるサービスです。
8.5 料金
- Q: Azure Files の料金はどのように計算されますか?
A: プロビジョニングされた容量、使用量、データ転送、スナップショット、ネットワークに基づいて計算。
8.6 その他細かな試験ポイント
- ストレージアカウントの種類 (汎用 v2、File Storage)
- Shared Access Signature (SAS) の種類 (サービス SAS、アカウント SAS)
- Azure Storage Explorer の使用
- スナップショットの作成と復元
- SMB マルチチャネル