Azure認定資格 WEB問題集&徹底解説
AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals
Azureサービスの一つであるAzure Sphereはどんな内容なのでしょうか?また、Azure認定資格の AZ-900:Azure Fundamentals に合格するためには、サービスのどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?
ここでは、そんなあなたの疑問に回答していきたいと思います
1. サービス概要
Azure Sphereは、IoTデバイス向けに設計されたセキュアなエンドツーエンドのプラットフォームです。 マイクロコントローラー、専用OS、クラウドセキュリティサービスの3要素で構成され、ハードウェアからクラウドまでの包括的なセキュリティを実現します。 デバイスのライフサイクル全体でセキュリティアップデートや保護を行うことで、産業用や家庭用IoTシステムの安全な運用を支援します。
主なユースケースには、産業用モニタリング、スマートホームデバイス、医療機器など、セキュリティが最重要視されるIoTソリューションがあります。
2. 主な特徴と機能
2.1 多層防御のセキュリティ
Azure Sphereは、ハードウェア、OS、クラウドサービスの各層でセキュリティ対策を実施。 不正アクセスや改ざん防止、脆弱性対策を統合的に提供します。
2.2 組み込み専用OS
軽量かつ高度にセキュアなAzure Sphere OSは、Linuxカーネルをベースにしており、リアルタイム性と安全性を両立。 セキュリティパッチやアップデートが自動的に適用されます。
2.3 クラウドセキュリティサービス
Azure Sphere Security Serviceは、デバイスの認証、監視、更新管理をクラウドで一元管理。 万が一の脅威検知時には迅速な対応が可能です。
2.4 組み込み向けハードウェア認証
専用設計のAzure Sphere認定MCUは、物理的なセキュリティ機能を内蔵し、不正なハードウェア改変や侵入を防止します。
2.5 IoT向け統合開発環境
Azure Sphereは、Visual Studio等の開発ツールと連携し、セキュアなアプリケーション開発やデバイス管理を容易にします。
3. アーキテクチャおよび技術要素
- Azure Sphere MCU: セキュアな組み込みプロセッサ。ハードウェアレベルのセキュリティ機能を提供。
- Azure Sphere OS: Linuxベースの専用OSで、アプリケーションの実行環境とセキュリティ機構を統合。
- Azure Sphere Security Service: デバイスの認証、セキュリティ監視、定期アップデートをクラウド経由で実施。
- 各層が連携し、デバイスの起動から稼働、停止まで全てのフェーズでセキュリティを担保。
- OTA(Over-the-Air)アップデートにより、最新のセキュリティパッチを常時適用可能。
この3層アーキテクチャにより、ハードウェアからクラウドまで一貫したセキュリティ対策が実現されています。
4. セキュリティと認証・認可
- 多層防御: ハードウェア、OS、クラウドの各レイヤーでセキュリティ対策を実装。
- デバイス認証: セキュリティサービスによる認証で、信頼できるデバイスのみがネットワークに接続。
- OTAアップデート: 定期的な自動更新により、最新の脅威にも迅速に対応。
- 通信の暗号化: デバイスとクラウド間の通信は、TLSなどのプロトコルで暗号化。
- 脅威検知と対応: リアルタイムのセキュリティ監視で異常を検知し、迅速な対応を実施。
5. 料金形態
Azure Sphereは、ハードウェア(Azure Sphere認定MCU)とクラウドセキュリティサービスのセットとして提供されます。 基本的なクラウドサービスはサブスクリプションモデルで、利用状況やデバイス数に応じた従量課金となる場合があります。 詳細はAzureの公式料金ページで確認してください。
6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン
- セキュアなIoTデバイス接続: デバイス認証とOTAアップデートを組み合わせ、常に最新のセキュリティ状態を維持。
- リモート監視・管理: セキュリティサービスと連携して、デバイスの状態をリアルタイム監視し、異常検知時にアラートを発報。
- 分散型セキュリティ管理: 多拠点に展開されたデバイスの一元管理とセキュリティポリシーの適用。
- エッジコンピューティングとの連携: エッジデバイスでの初期データ処理とクラウドでの集中管理を統合。
7. 設定・デプロイ手順(ハンズオン例)
- Azure Sphere対応デバイスの準備と接続確認。
- Azure Sphere Developer Portalに登録し、デバイスをプロビジョニング。
- Visual Studio等の開発環境でサンプルアプリケーションを作成、デバイスへデプロイ。
- Azure Sphere Security Serviceの設定確認とOTAアップデートの動作検証。
- デバイス認証、ログ収集、異常検知の仕組みを設定し、セキュリティポリシーを適用。
8. 試験で問われやすいポイント
8.1 サービスの構成要素
- Q: Azure Sphereを構成する3要素は?
A: Azure Sphere MCU、Azure Sphere OS、Azure Sphere Security Service。 - Q: 組み込み専用OSの特徴は?
A: 軽量でセキュリティパッチが自動適用されるLinuxベースのOS。
8.2 セキュリティ機能と認証
- Q: デバイス認証の仕組みはどのように実現されるか?
A: セキュリティサービスを通じた認証により、信頼できるデバイスのみ接続可能。 - Q: OTAアップデートのメリットは?
A: リアルタイムで最新のセキュリティパッチを適用し、脅威に迅速対応できる。
8.3 アーキテクチャと通信の暗号化
- Q: デバイスとクラウド間の通信はどのように保護されるか?
A: TLSなどの暗号化プロトコルを利用して安全に通信。 - Q: 多層防御の具体例は?
A: ハードウェアレベル、OSレベル、クラウドレベルで個別にセキュリティ対策を実施。
8.4 開発・デプロイと管理
- Q: Azure Sphereでのアプリケーション開発環境は?
A: Visual Studioなどの統合開発環境と連携し、容易にアプリケーション開発が可能。 - Q: デバイスのリモート管理に必要な機能は?
A: セキュリティサービスによる認証、ログ監視、OTAアップデート機能。
8.5 料金モデルとライセンス
- Q: Azure Sphereの料金形態はどのようになっているか?
A: ハードウェア費用とクラウドサービスのサブスクリプションモデル(従量課金制)の組み合わせ。 - Q: 利用状況に応じた課金のポイントは?
A: デバイス数や利用するセキュリティサービスの範囲に依存。
8.6 実運用でのセキュリティ対策
- Q: IoT環境でAzure Sphereが有効な理由は?
A: エンドツーエンドでのセキュリティと自動更新機能により、継続的な保護が可能。 - Q: セキュリティポリシー設定の留意点は?
A: デバイス認証、通信暗号化、OTAアップデートの連携を確認する。