Azure認定資格 WEB問題集&徹底解説
AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals
Azureサービスの一つであるAzure AI Serviceはどんな内容なのでしょうか?また、Azure認定資格の AZ-900:Azure Fundamentals に合格するためには、サービスのどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?
ここでは、そんなあなたの疑問に回答していきたいと思います
1. サービス概要
Azure AI Services は、開発者がインテリジェントなアプリケーションを構築するために使用できる、クラウドベースの人工知能 (AI) サービス群です。 API、SDK、およびサービスを通じて、機械学習、自然言語処理、コンピュータービジョンなどの様々な AI 機能をアプリケーションに統合できます。
主なユースケースには、画像認識、音声認識、テキスト分析、予測分析、意思決定の自動化などがあります。
2. 主な特徴と機能
2.1 主要なサービスカテゴリ
Azure AI Services は、大きく以下のカテゴリに分類されます。
- Vision: 画像分析、顔認識、物体検出などの機能を提供します。(例: Computer Vision, Face, Custom Vision)
- Speech: 音声認識、音声合成、音声翻訳などの機能を提供します。(例: Speech to Text, Text to Speech, Speech Translation)
- Language: テキスト分析、感情分析、キーフレーズ抽出、言語検出などの機能を提供します。(例: Text Analytics, Language Understanding (LUIS), Translator)
- Decision: コンテンツモデレーション、異常検出、パーソナライズなどの機能を提供します。(例: Content Moderator, Anomaly Detector, Personalizer)
- OpenAI: 大規模言語モデルを活用した自然言語処理機能を提供します。(例: Azure OpenAI Service)
2.2 カスタマイズと拡張性
多くAzure AI Services は、事前にトレーニングされたモデルを利用できるだけでなく、独自のデータでモデルをトレーニングして、特定のニーズに合わせてカスタマイズできます。 Custom Vision や Language Understanding (LUIS) など、モデルをトレーニングするためのツールも提供されています。
2.3 統合と連携
Azure AI Services は、Azure Functions、Azure Logic Apps、Power Platform などの他の Azure サービスと容易に統合できます。 これにより、AI 機能を組み込んだ自動化されたワークフローやアプリケーションを迅速に構築できます。
2.4 セキュリティとコンプライアンス
Azure AI Services は、Azure のセキュリティとコンプライアンスの基準を満たしています。 データ暗号化、アクセス制御、監査などの機能を提供し、機密データの保護を支援します。
3. アーキテクチャおよび技術要素
- クライアントアプリケーションが Azure AI Services の API を呼び出します。
- API は、要求された AI 処理を実行し、結果をクライアントアプリケーションに返します。
- 必要に応じて、クライアントアプリケーションは、モデルをトレーニングするためにデータを Azure AI Services に送信します。
- Azure AI Services は、Azure のグローバルなインフラストラクチャ上で実行され、高い可用性とスケーラビリティを提供します。
4. セキュリティと認証・認可
- Azure Active Directory (Azure AD): Azure AD を使用して、Azure AI Services へのアクセスを認証および認可します。
- Role-Based Access Control (RBAC): RBAC を使用して、ユーザーおよびグループに Azure AI Services のリソースへのアクセス許可を付与します。
- Network Security Groups (NSG): NSG を使用して、Azure AI Services へのネットワークアクセスを制御します。
- データ暗号化: 保存時および転送中のデータを暗号化します。
- Azure Key Vault: API キーや接続文字列などの機密情報を安全に保管します。
5. 料金形態
Azure AI Services は、主に以下の要素に基づく従量課金モデルです:
- トランザクション数: API の呼び出し回数に応じて料金が発生します。
- 処理時間: 音声認識や動画分析など、処理に時間がかかるサービスでは、処理時間に応じて料金が発生します。
- データ量: トレーニングデータやストレージの使用量に応じて料金が発生する場合があります。
- ティア: サービスによっては、無料、Standard、Premium などのティアがあり、ティアによって料金や利用できる機能が異なります。
6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン
- インテリジェントなチャットボット: Language Understanding (LUIS) と Azure Bot Service を使用して、自然言語で対話できるチャットボットを構築します。
- 画像認識アプリケーション: Computer Vision を使用して、画像内のオブジェクト、顔、テキストを認識するアプリケーションを構築します。
- 感情分析ダッシュボード: Text Analytics を使用して、顧客のフィードバックやソーシャルメディアの投稿から感情を分析し、ダッシュボードに表示します。
- リアルタイム音声翻訳: Speech Translation を使用して、異なる言語を話す人々の間でリアルタイムに音声翻訳を行います。
7. 設定・デプロイ手順(ハンズオン例)
- Azure Portal で Azure AI Services のリソースを作成します。
- API キーまたは接続文字列を取得します。
- SDK または REST API を使用して、アプリケーションから Azure AI Services の API を呼び出します。
- 必要に応じて、Azure AI Services のポータルでモデルをトレーニングおよびデプロイします。
8. 試験で問われやすいポイント
8.1 サービス選択
- Q: 画像内のオブジェクトを検出するには?
A: Computer Vision の Object Detection 機能を使用します。 - Q: 音声をテキストに変換するには?
A: Speech to Text を使用します。 - Q: テキストの感情を分析するには?
A: Text Analytics の Sentiment Analysis 機能を使用します。 - Q: 異なる言語間でテキストを翻訳するには?
A: Translator を使用します。
8.2 カスタマイズとトレーニング
- Q: 特定のオブジェクトを認識するためのカスタムモデルをトレーニングするには?
A: Custom Vision を使用して、独自のデータでモデルをトレーニングします。 - Q: 自然言語理解 (NLU) モデルを構築するには?
A: Language Understanding (LUIS) を使用して、意図とエンティティを定義し、モデルをトレーニングします。
8.3 セキュリティと認証
- Q: Azure AI Services へのアクセスを認証するには?
A: Azure Active Directory (Azure AD) を使用します。 - Q: API キーを安全に保管するには?
A: Azure Key Vault を使用します。
8.4 料金
- Q: Azure AI Services の料金はどのように計算されますか?
A: 主にトランザクション数、処理時間、データ量、ティアによって計算されます。
8.5 その他
- 各 Azure AI Services の機能とユースケースを理解しておく。
- Custom Vision や LUIS などのカスタムモデルのトレーニング方法を理解しておく。
- Azure Active Directory (Azure AD) を使用した認証と認可の方法を理解しておく。