Azure認定資格 WEB問題集&徹底解説
AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals
Azureサービスの一つであるAzure Event Hubsはどんな内容なのでしょうか?また、Azure認定資格の AZ-900:Azure Fundamentals に合格するためには、サービスのどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?
ここでは、そんなあなたの疑問に回答していきたいと思います
1. サービス概要
Azure Event Hubsは、ビッグデータやIoTシナリオ向けの高スループットなリアルタイムイベントインジェストサービスです。 数百万件のイベントを数秒以内に受信し、ストリーミングデータの集約、分析、可視化を可能にします。
主なユースケースには、IoTデバイスからのデータ収集、ログの集約、リアルタイム分析、ビッグデータパイプラインのエントリポイントとして利用されています。
2. 主な特徴と機能
2.1 高スループットなイベントインジェスト
数百万のイベントをリアルタイムで取り込み、低遅延で次の処理ステップへデータを流すことが可能です。
2.2 スケーラブルなパーティショニング
パーティションを活用してデータを分散処理し、スケールアウトによる高いスループットと可用性を実現します。
2.3 柔軟なデータ保持とストレージ連携
イベントデータは一定期間保持可能で、Azure StorageやData Lakeとの連携により後続のバッチ処理や分析が容易になります。
2.4 リアルタイムストリーミング分析との統合
Azure Stream Analytics、Databricks、Functionsなどとの連携により、リアルタイムデータ分析が実現できます。
2.5 セキュアなデータ転送
データ転送時の暗号化、認証、アクセス制御などのセキュリティ機能を提供し、安全なイベントインジェストを実現します。
3. アーキテクチャおよび技術要素
- イベントプロデューサー: IoTデバイスやアプリケーションからイベントを送信。
- Event Hubs インスタンス: 高スループットなイベント受信とパーティショニングを実施。
- コンシューマーグループ: 同一イベントデータを複数のアプリケーションが独立して処理可能。
- データは一定期間保持され、後続のストリーミング分析やバッチ処理に利用される。
- Azure StorageやData Lakeとの連携で、長期保存や詳細な分析が可能。
この構成により、リアルタイムで大量のイベントデータを効率的に収集・処理し、柔軟な分析環境を提供します。
4. セキュリティと認証・認可
- データ暗号化: 転送時および保存時に暗号化技術を適用し、データの機密性を確保。
- アクセス管理: Azure Active DirectoryやShared Access Signatures (SAS) により、細かいアクセス制御を実施。
- ネットワークセキュリティ: 仮想ネットワーク、NSG、ファイアウォール設定で安全な通信を保証。
- 監査ログ: すべてのアクセスや操作の履歴を記録し、コンプライアンス遵守をサポート。
5. 料金形態
Azure Event Hubsは、イベント送信数、データ転送量、保持期間に基づく従量課金制です。 スケーラブルなパーティショニングと自動スケーリングにより、利用状況に合わせた柔軟なコスト管理が可能です。 詳細はAzure公式料金ページをご確認ください。
6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン
- リアルタイムデータパイプライン: イベントインジェストからStream Analyticsでリアルタイム処理、BIツールで可視化。
- IoTデータ収集: IoTデバイスからの大量データをEvent Hubsで集約し、後続の分析基盤へ送信。
- ログデータ集約: アプリケーションやシステムログを一元的に収集し、異常検知や監査に活用。
- 分散コンシューマーパターン: 複数のコンシューマーグループで同一データを独立に処理し、柔軟なシステム設計を実現。
7. 設定・デプロイ手順(ハンズオン例)
- Azure PortalでEvent Hubsの名前空間を作成し、イベントハブインスタンスを設定。
- パーティション数、データ保持期間、スループットユニットなどの基本設定を行う。
- イベントプロデューサー(IoTデバイスやアプリケーション)からイベント送信を実施。
- コンシューマーグループを作成し、Azure Stream AnalyticsやDatabricksと連携してデータを受信・処理。
- アクセス管理(SASトークンやAzure AD)を設定し、セキュリティポリシーを適用。
8. 試験で問われやすいポイント
8.1 サービスの基本構成
- Q: Azure Event Hubsの主な機能は何か?
A: 高スループットなイベントインジェスト、パーティショニングによる分散処理、リアルタイム分析への連携。 - Q: イベントプロデューサーとコンシューマーグループの役割は?
A: プロデューサーがイベントを送信し、コンシューマーグループがデータを独立して処理する。
8.2 スケーラビリティとパフォーマンス
- Q: パーティション設定の重要性は?
A: パーティションによりデータが分散され、スケールアウトと高いスループットが実現される。 - Q: 自動スケーリング機能のメリットは?
A: ワークロードに応じたリソース調整により、パフォーマンスとコスト効率が最適化される。
8.3 セキュリティとアクセス管理
- Q: Azure Event Hubsでのデータ暗号化はどのように実施されるか?
A: 転送時および保存時に暗号化技術を適用し、データの機密性を保持する。 - Q: アクセス管理の実装方法は?
A: Azure ADやSASトークンを用いた認証と権限設定で実施される。
8.4 データパイプライン設計と統合
- Q: リアルタイム分析パイプラインの構築手法は?
A: Event Hubsでイベントを集約し、Stream AnalyticsやDatabricksで処理、BIツールで可視化する。 - Q: 複数のコンシューマーグループの利用メリットは?
A: 同じデータを独立して処理できるため、システムの柔軟性と拡張性が向上する。
8.5 料金モデルとコスト最適化
- Q: Azure Event Hubsの料金体系は?
A: イベント送信数、データ転送量、保持期間に基づく従量課金制。 - Q: コスト最適化のために留意すべき点は?
A: スループットユニットの最適な設定と不要なリソースの管理、定期的な利用状況のモニタリング。