Azure認定資格 WEB問題集&徹底解説

AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals

Microsoft Entra ID Protection の概要と試験出題ポイントは?

Azureサービスの一つであるMicrosoft Entra ID Protectionはどんな内容なのでしょうか?また、Azure認定資格の AZ-900:Azure Fundamentals に合格するためには、サービスのどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?
ここでは、そんなあなたの疑問に回答していきたいと思います

Microsoft Entra ID Protection 徹底解説

1. サービス概要

Microsoft Entra ID Protectionは、IDおよび認証に関連する脅威から企業を保護するためのクラウドベースのセキュリティソリューションです。 異常なサインイン試行、危険なユーザー行動、及びその他の不正アクセスの兆候をリアルタイムで検出し、自動的にリスクを軽減するための対策を提供します。

主なユースケースには、不正アクセスの早期検出、条件付きアクセスの強化、ユーザーリスクの評価と対応、ならびにコンプライアンスの維持があり、企業のIDセキュリティの強化に寄与します。

2. 主な特徴と機能

2.1 リスクベースのサインイン分析

ユーザーのサインイン活動をリアルタイムで分析し、異常な行動や潜在的な脅威を自動的に検出します。

2.2 自動対応と条件付きアクセス

リスクが検出された場合、条件付きアクセスポリシーに基づく自動対応(多要素認証の要求やアクセスブロックなど)を実施します。

2.3 ユーザーリスク評価

各ユーザーの行動パターンやサインイン状況に基づいてリスクスコアを算出し、適切な対応策を提示します。

2.4 統合ダッシュボードとアラート

セキュリティ管理者向けに、全体のID保護状況、リスクイベント、推奨アクションを一元的に管理するダッシュボードを提供します。

2.5 シームレスなMicrosoft Entraとの統合

Microsoft Entra IDおよびその他のMicrosoftセキュリティソリューションと統合され、包括的なID保護を実現します。

3. アーキテクチャおよび技術要素

  1. サインインデータコレクター: ユーザーのサインイン試行や行動データを収集。
  2. リスク評価エンジン: 収集したデータを分析し、各ユーザーのリスクスコアを算出。
  3. 自動応答システム: 条件付きアクセスポリシーに基づき、自動的に対策(多要素認証、アクセス制限など)を実施。
  4. 統合ダッシュボードで、リアルタイムのアラート、リスク評価結果、推奨アクションを表示。
  5. Microsoft EntraおよびAzure ADとの連携により、ID管理とセキュリティ運用を統合。

このアーキテクチャにより、異常なサインイン活動やリスクの兆候を迅速に検出し、適切な対策を自動で実施できる環境が整えられています。

4. セキュリティと認証・認可

  • データの暗号化: サインインデータやリスク評価情報は、保存時および転送時に暗号化され保護されます。
  • アクセス管理: Azure Active Directoryと連携し、厳格なユーザー認証と権限管理が実施されます。
  • 監査ログ: 全てのセキュリティイベントやアクセス操作が記録され、コンプライアンスとインシデント解析に役立ちます。
  • 自動応答ポリシー: 検出されたリスクに基づき、条件付きアクセスルールで自動的に対応を行います。

5. 料金形態

Microsoft Entra ID Protectionは、取り込むサインインデータの量や自動応答機能の利用状況に基づく従量課金制です。 利用規模に合わせた柔軟な料金体系により、企業のセキュリティ要件に応じたコスト管理が可能です。 詳細はAzure公式料金ページで確認してください。

6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン

  • リスクベースの条件付きアクセス: サインインリスクに基づいて自動的にアクセス制御を実施し、セキュリティレベルを向上。
  • 統合ID保護ダッシュボード: 全社のサインイン状況とリスクイベントを一元管理し、迅速な対応を支援。
  • 自動応答ワークフロー: リスクイベント発生時に、事前設定されたワークフローにより自動的に多要素認証やアクセス制限を実施。
  • ハイブリッド環境でのIDセキュリティ: オンプレミスとクラウドのユーザー管理を統合し、全体のリスクを低減。

7. 設定・デプロイ手順(ハンズオン例)

  1. Azure PortalでMicrosoft Entra ID Protectionの設定を開始し、対象のAzure AD環境を選択。
  2. サインインデータの収集を有効化し、リスク評価の基準を設定。
  3. 条件付きアクセスポリシーを構築し、リスクイベントに基づいた自動対応ルールを作成。
  4. 統合ダッシュボードでリスク評価結果やアラートを確認し、必要に応じてポリシーを調整。
  5. 運用テストを実施し、異常なサインイン試行時の自動応答の動作を確認。

8. 試験で問われやすいポイント

8.1 サービスの基本構成

  • Q: Microsoft Entra ID Protectionの主な機能は何か?
    A: サインインデータのリスク評価、異常な行動の検出、条件付きアクセスによる自動応答、統合ダッシュボードの提供。
  • Q: Entra ID Protectionが統合される他のMicrosoftサービスは?
    A: Azure Active DirectoryやMicrosoft Entra IDなど、ID管理全般に関するサービスと連携される。

8.2 リスク評価と自動応答

  • Q: リスク評価のために収集されるデータは?
    A: ユーザーのサインインパターン、場所、デバイス情報、その他の行動データ。
  • Q: 自動応答機能のメリットは?
    A: リスクが検出された際に、迅速に多要素認証要求やアクセス制限などの対応が可能になる。

8.3 ダッシュボードとレポーティング

  • Q: 統合ダッシュボードで確認できる主な情報は?
    A: リスクスコア、異常なサインインイベント、アラート、及び自動応答の履歴。
  • Q: ダッシュボードのカスタマイズの重要性は?
    A: 企業のセキュリティ運用に合わせた情報の可視化と迅速な意思決定をサポートする。

8.4 アクセス管理とコンプライアンス

  • Q: Azure Active Directoryとの連携の意義は?
    A: ユーザーごとの詳細なアクセス制御と認証により、不正アクセスリスクを低減する。
  • Q: 監査ログの活用方法は?
    A: すべてのアクセス操作を記録し、セキュリティインシデントの原因解析やコンプライアンス遵守に利用する。

8.5 料金体系とコスト管理

  • Q: Microsoft Entra ID Protectionの料金体系は?
    A: 収集するサインインデータ量と自動応答機能の利用状況に基づく従量課金制。
  • Q: コスト最適化のために留意すべき点は?
    A: 必要なデータのみ収集し、条件付きアクセスルールを適切に設定すること。