AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
CloudOpsエンジニア -アソシエイト
問題文と選択肢
このルーティングポリシーを正しく設定するために、CloudOps 管理者が行うべき適切なアクションは次のうちどれですか?
- example.com の地理的位置ごとに個別のパブリックホストゾーンを作成し、それぞれに適切なリソースレコードを設定する
- example.com の単一のホストゾーン内で、同じレコード名に対して地理的位置ごとの地理位置情報レコードを作成し、既定(デフォルト)のレコードも用意する
- 各地理的位置に専用の DNS サーバーを EC2 上に構築し、それぞれに適切な A レコードを登録する
- レイテンシーベースのルーティングポリシーを使用し、各リージョンのエンドポイントをレコードに設定する
A. example.com の地理的位置ごとに個別のパブリックホストゾーンを作成し、それぞれに適切なリソースレコードを設定する
ホストゾーンはドメイン(example.com)ごとに 1 つが基本で、同じドメイン名のパブリックホストゾーンを複数作っても、レジストラに登録できるネームサーバーは 1 組だけであるためどちらのゾーンが引かれるかを制御できない。
ゾーンを分けても Route 53 が「ユーザーの所在地」で応答を出し分ける仕組みにはならず、要件を満たさない。
地理位置情報ルーティングは同一ホストゾーン内の同名レコード同士の選択として機能する。
B. example.com の単一のホストゾーン内で、同じレコード名に対して地理的位置ごとの地理位置情報レコードを作成し、既定(デフォルト)のレコードも用意する
地理位置情報ルーティングは、同じホストゾーン内で、同じ名前・同じタイプのレコードを複数作成し、それぞれに地理的位置(大陸・国・米国の州)を割り当てることで構成する。
Route 53 は DNS クエリの送信元 IP アドレスから推定した所在地に一致するレコードを返すため、所在地に応じたリージョンのリソースへ振り分けられる。
どの地理的位置にも一致しないユーザーのためにロケーション「デフォルト」のレコードを用意しておくのが定石で、これが無いとカバーされない場所からのクエリには応答が返らない(NODATA/NXDOMAIN)。要件を正しく満たす唯一の選択肢。
C. 各地理的位置に専用の DNS サーバーを EC2 上に構築し、それぞれに適切な A レコードを登録する
自前の DNS サーバーを EC2 上に構築する案。所在地に応じた応答を実装するにはGeoIP データベースの保守・サーバーの冗長化・パッチ適用まで自前で抱えることになり、マネージドな Route 53 の機能で実現できることをわざわざ運用負荷の高い方法で置き換えている。
さらに、権威 DNS を分散させても単一のドメイン名に対する振り分けロジックは自動的には成立しない。CloudOps 的にも「AWS のマネージド機能で足りるなら自前サーバーは建てない」が原則。
D. レイテンシーベースのルーティングポリシーを使用し、各リージョンのエンドポイントをレコードに設定する
レイテンシーベースルーティングは、ユーザーとリージョン間の実測ネットワークレイテンシーが最小のリージョンへ振り分けるポリシーであり、ユーザーの所在地(国)を基準にしない。
本問は「各国の法規制に準拠したコンテンツを配信する」ことが目的なので、レイテンシー最小のリージョンが必ずしもその国向けのリソースとは限らず、要件そのものを満たさない。
「近さ」で選びたい場合は地理的近接性(Geoproximity)ルーティング、「所在地」で選びたい場合は地理位置情報ルーティングと、目的で使い分ける。
ルーティングポリシーは「1 ホストゾーン・同名レコードを並べる」。ゾーンを分けても振り分けは起きない。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| 単一のドメイン名(example.com)で公開する | ルーティングポリシーは1 つのホストゾーン内の同名レコード群で構成する。ゾーンを分割する発想は誤り →選択肢(A)を消す |
| ユーザーの所在地(国・大陸)に基づいて振り分ける | 所在地基準なら地理位置情報ルーティング。実測レイテンシー基準のレイテンシーベースとは別物 →選択肢(D)を消す |
| 各国の法規制に準拠したコンテンツを配信する | 法規制対応は「速い場所」ではなく「どの国から来たか」で決める必要があり、レイテンシーで代替できない →選択肢(D)を消す |
| AWS のマネージドサービスで運用負荷を抑える | Route 53 だけで所在地判定が可能。自前 DNS サーバーの構築・GeoIP 保守は不要 →選択肢(C)を消す |
| 地理位置情報ルーティングの正しい設定手順 | 同一ホストゾーン内に同じ名前・タイプのレコードを地理的位置ごとに作成し、デフォルトのレコードも用意する →選択肢(B)が正解 |
ひっかけポイント
- 「地理的位置ごとにホストゾーンを分ける」は一見整理されて見えるが、DNS の委任先ネームサーバーは 1 組しかなく、ゾーンを分けても振り分けは発生しない
- レイテンシーベースルーティングも「近いリージョンへ振る」ように見えるが、基準は実測レイテンシーであって所在地ではない。法規制・言語・コンテンツの出し分け要件では使えない
- 地理位置情報ルーティングではデフォルトのレコードを作り忘れるのが典型的な設定ミス。カバーされていない場所からのクエリに応答できなくなる
- 「最も近いリージョンへ」という言い回しが出たら、地理的近接性(Geoproximity)ルーティングやレイテンシーベースを疑う。地理位置情報は「どこから来たか」で決め打ちするポリシー
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「実測のネットワークレイテンシーが最小のリージョンへ振り分けたい」 | レイテンシーベースルーティングが正解に変わる。 |
| 「リージョンの位置を基準に、バイアス(偏り)を調整しながら近い方へ寄せたい」 | 地理的近接性(Geoproximity)ルーティング+トラフィックフローが正解軸に。 |
| 「特定の国からのアクセスをブロックしたい」 | DNS ではなく AWS WAF の地理的一致ルールや CloudFront の地理的制限が正解軸に。 |
| 「プライマリが落ちたらセカンダリへ自動切り替えしたい」 | フェイルオーバールーティング+ヘルスチェックが正解に。 |
| 「複数のリソースへ重み付けして配分し、カナリアリリースしたい」 | 加重ルーティングが正解に。 |
このルーティングポリシーを正しく設定するために、CloudOps 管理者が行うべき適切なアクションは次のうちどれですか?
- example.com の地理的位置ごとに個別のパブリックホストゾーンを作成し、それぞれに適切なリソースレコードを設定する
- example.com の単一のホストゾーン内で、同じレコード名に対して地理的位置ごとの地理位置情報レコードを作成し、既定(デフォルト)のレコードも用意する
- 各地理的位置に専用の DNS サーバーを EC2 上に構築し、それぞれに適切な A レコードを登録する
- レイテンシーベースのルーティングポリシーを使用し、各リージョンのエンドポイントをレコードに設定する