AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説

ソリューションアーキテクト – アソシエイト

AWS Directory Service の概要と試験出題ポイントは?

AWSサービスの一つであるAWS Directory Serviceはどんな内容なのでしょうか?また、AWS認定資格のソリューションアーキテクト-アソシエイト(SAA)に合格するためには、サービスのどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?
ここでは、そんなあなたの疑問に回答していきたいと思います

AWS Directory Service 徹底解説 | AWS認定試験の頻出ポイントまとめ

1. サービス概要

AWS Directory Serviceは、クラウド上でMicrosoft Active Directory(AD)またはLDAPディレクトリを利用するためのマネージドサービスです。オンプレミスのAD環境とAWS上のリソースを統合したり、AWS上に独立したADを構築したりできます。

主な利用ユースケースは、EC2インスタンスのドメイン参加・Windows認証・グループポリシー適用・RDS SQL ServerやAmazon WorkSpaces等のAWSサービスとのAD連携・IAM Identity CenterとのSSOです。

2. 主な特徴と機能

2.1 AWS Managed Microsoft AD(AWS Managed Microsoft Active Directory)

AWSが提供するフルマネージドのMicrosoft AD(Windows Server AD)。実際のMicrosoft ADエンジンで動作し、GPO・LDAP・Kerberos・RADIUS等を完全サポートします。

  • マルチAZ構成でドメインコントローラーを複数のAZに自動配置し高可用性を確保。
  • オンプレミスADとの信頼関係(Forest Trust)を構築してハイブリッドAD環境を実現。
  • EC2のドメイン参加・RDS SQL Server・Amazon WorkSpaces・Amazon QuickSight・IAM Identity Center等のAWSサービスとネイティブ統合。
  • Standardエディション(最大5,000オブジェクト)とEnterpriseエディション(最大500,000オブジェクト)を提供。

2.2 AD Connector

既存のオンプレミスMicrosoft ADへプロキシ接続するためのサービス。AD自体はオンプレに残し、AWSサービスの認証をオンプレADに委任します。

  • ユーザー情報をAWSにコピーしない(プロキシとして動作)。
  • Direct Connect / VPN経由でオンプレADに接続が前提。
  • EC2ドメイン参加・WorkSpaces・IAM Identity Center等の認証に利用。

2.3 Simple AD

Sambaベースの軽量・低コストなLDAPディレクトリ。Microsoft AD互換の基本機能のみ提供。小規模環境向けで、GPO・RADIUS・信頼関係等は非サポート。

  • Smallエディション(最大500オブジェクト)とLargeエディション(最大5,000オブジェクト)。
  • 完全なAD機能が不要でシンプルなLDAPが必要な場合に選択。

2.4 主なAWSサービス統合

  • EC2: Windows/LinuxインスタンスのADドメイン参加・グループポリシー適用。
  • RDS (SQL Server / MySQL / Oracle): Windows認証でRDSへのアクセスを管理。
  • Amazon WorkSpaces: 仮想デスクトップのAD認証・グループポリシー管理。
  • IAM Identity Center: ADをIDソースとしてマルチアカウントSSOを実現。

3. アーキテクチャおよび技術要素

3.1 AWS Managed Microsoft AD の構成

  1. VPC内にAWS Managed Microsoft ADを作成(2つのAZにドメインコントローラーが自動配置)。
  2. EC2インスタンスからADに参加(ドメイン参加)→ GPO・Windows認証が利用可能。
  3. オンプレADとForest Trustを構成→ Direct Connect/VPN経由でハイブリッドAD統合。

3.2 AD Connectorの構成

  1. VPC内にAD Connectorを作成。
  2. Direct Connect / VPN経由でオンプレADに接続。
  3. AWSサービスからの認証リクエストをオンプレADにプロキシ。

3.3 3サービスの選択基準

  • オンプレADを保持し認証を委任したい → AD Connector
  • AWS上に本格的なAD環境が必要 / オンプレADと信頼関係を構築したい → AWS Managed Microsoft AD
  • AD互換の簡易LDAP環境が必要(小規模・低コスト) → Simple AD

4. セキュリティと認証・認可

  • Kerberos認証: AWS Managed Microsoft ADはKerberosによる標準AD認証をサポート。
  • LDAPS (LDAPSoverTLS): ディレクトリ通信の暗号化。
  • マルチAZ: ドメインコントローラーを複数AZに配置してSPOFを排除。
  • VPC内配置: ディレクトリはVPC内に存在し、セキュリティグループで通信を制御。
  • AWS Managed Microsoft ADの管理者権限: AWSはADの下位委任された管理者権限を持ち、ドメインコントローラーのOSには直接アクセスできない(マネージド)。

5. 料金形態

  • AWS Managed Microsoft AD: ディレクトリサイズ(Standard/Enterprise)と稼働時間で課金。
  • AD Connector: コネクタサイズ(Small/Large)と稼働時間で課金。
  • Simple AD: ディレクトリサイズと稼働時間で課金(最も安価)。

6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン

  • ハイブリッドAD(Forest Trust): AWS Managed Microsoft ADとオンプレADの間にForest Trustを構築。オンプレユーザーがAWSリソースにシームレスにアクセス。
  • AD Connectorによる認証プロキシ: オンプレADをそのまま活用しEC2・WorkSpaces・IAM Identity Centerの認証をプロキシ。AD情報の移行不要。
  • IAM Identity Center + Managed AD: Managed ADをIDソースにIAM Identity Centerを設定→組織内全アカウントにAD認証でSSOアクセス。

7. 設定・デプロイ手順(ハンズオン例)

  1. Directory Serviceコンソール→「ディレクトリの設定」→タイプを選択(AWS Managed Microsoft AD推奨)。
  2. エディション(Standard/Enterprise)・ドメイン名・管理者パスワード・VPC/サブネット(2つのAZ)を設定。
  3. ディレクトリが作成されたら(数十分)、DNSアドレスを確認。
  4. EC2インスタンスのDNSをADのDNSに向け、ドメイン参加(Windows: システムプロパティ / Linux: realmd/sssd)。
  5. オンプレADとの信頼関係が必要な場合は、Forest Trustを追加設定。

8. 試験で問われやすいポイント

8.1 3サービスの使い分け

  • Q: オンプレADをそのまま維持しつつAWSサービスの認証をADに委任するには?
    A: AD Connector(オンプレADへのプロキシ。ADデータをAWSにコピーしない)。
  • Q: AWS上に本格的なMicrosoft ADを構築してGPO・KerberosをフルサポートするAWSサービスは?
    A: AWS Managed Microsoft AD(実際のMicrosoft ADエンジンでマルチAZ高可用性構成)。
  • Q: 小規模環境向けの低コストなAD互換LDAP環境が欲しい場合は?
    A: Simple AD(Sambaベース。GPO・RADIUSなど高度なAD機能は非サポート)。

8.2 Forest Trust(信頼関係)

  • Q: AWS Managed Microsoft ADとオンプレADを統合する方法は?
    A: Forest Trustを構築(Direct Connect/VPN経由)。オンプレユーザーがAWSリソースにシームレスにアクセス可能。

8.3 IAM Identity Centerとの連携

  • Q: ADユーザーでAWSマルチアカウントSSOを実現するには?
    A: IAM Identity CenterのIDソースにAWS Managed Microsoft AD(またはAD Connector)を設定してSSO認証にADを使用。

8.4 AD Connectorの前提条件

  • Q: AD Connectorを使うための前提条件は?
    A: Direct ConnectまたはVPNでオンプレADに接続できること(インターネット経由不可)。接続が切断されるとAWS側の認証も停止するためDirect Connect推奨。