AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
ソリューションアーキテクト – アソシエイト
問題文と選択肢
- 各リージョンにAWS Transit Gatewayを作成し、Transit Gateway間をピアリング接続で結び、AWS RAMを使用してアカウント間で共有する
- すべてのVPC間でVPCピアリング接続を確立し、各VPCのルートテーブルに必要な経路情報をすべて追加する
- 中央ハブとなる専用VPCを作成し、すべてのVPCとの間にAWS Site-to-Site VPN接続を構築してルートテーブルを設定する
- AWS PrivateLinkを使用してエンドポイントサービスを各VPCに配置し、すべてのVPC間でサービス接続を確立する
A. 各リージョンにAWS Transit Gatewayを作成し、Transit Gateway間をピアリング接続で結び、AWS RAMを使用してアカウント間で共有する
AWS Transit Gateway は VPC・VPN・Direct Connect を集約するハブ(クラウドルーター)であり、アタッチされたVPC 同士の推移的ルーティングを標準でサポートする。各リージョンに TGW を1つ置き、リージョン間は TGW ピアリングで結べば、複数リージョンにまたがる 30 以上のVPC を単一のハブアンドスポーク構成で相互接続できる。
新しいVPC を追加するときは TGW にアタッチするだけで既存全VPC と通信できるため運用負荷が最小。さらに AWS RAM で TGW を他アカウントに共有すれば、マルチアカウント環境でも一元的なネットワーク管理が可能で、すべての要件を満たす。
B. すべてのVPC間でVPCピアリング接続を確立し、各VPCのルートテーブルに必要な経路情報をすべて追加する
VPC ピアリングは推移的ルーティングをサポートしない(A-B、B-C があっても A-C は通信できない)。全 VPC の相互通信にはフルメッシュが必要で、30 VPC なら 30×29÷2 = 435 本のピアリング接続と、各VPC のルートテーブルへの膨大な経路追加が発生する。
VPC を1つ追加するたびに接続と経路が増え続けるため、「運用負荷が低い」「将来の追加に柔軟」という要件に真っ向から反する。
C. 中央ハブとなる専用VPCを作成し、すべてのVPCとの間にAWS Site-to-Site VPN接続を構築してルートテーブルを設定する
中央ハブVPC に対して各VPC から Site-to-Site VPN を張る構成。VPN は本来オンプレミス等の外部拠点との接続のための手段で、AWS 内部のVPC 間接続にわざわざ使うと、30本超のトンネル管理・IPsec の暗号化オーバーヘッド・トンネルあたり帯域の制約を抱え込む。
実現は不可能ではないが、Transit Gateway に比べて明確に運用負荷・コスト・スケーラビリティで劣るため最適ではない。
D. AWS PrivateLinkを使用してエンドポイントサービスを各VPCに配置し、すべてのVPC間でサービス接続を確立する
AWS PrivateLink(VPC エンドポイントサービス)は、特定のサービス(エンドポイント)への一方向のプライベート接続を公開するための仕組み。公開したサービスへの接続に限定され、サブネット間の任意の双方向通信(ネットワークレベルの相互接続)は提供しない。
「すべてのプライベートサブネット間で相互に通信」という要件には設計思想からして合致しない。
構成図
[リージョンA] VPC1 / VPC2 / ... ──┐
├─▶ Transit Gateway A
│ ▲
│ │ TGW 間ピアリング
│ ▼
[リージョンB] VPC1 / ... ───┴─▶ Transit Gateway B
※ 新規VPCは TGW にアタッチするだけで全体と通信可能
VPC が多数+推移的ルーティング=Transit Gateway。VPC ピアリングは推移不可・N×(N-1)/2 で破綻。
正解への思考ルート
問題文から要件を抽出し、選択肢の適否を判断するのがポイントです。| 要件 | 判断ポイント |
|---|---|
| 30個以上のVPCをすべて相互接続する | 接続数がN×(N-1)/2 に爆発するフルメッシュは非現実的。ハブ型を選ぶ →選択肢(B)を消す |
| 推移的ルーティングに対応 | VPC ピアリングは推移的ルーティング非対応。Transit Gateway は対応 →選択肢(A)は候補 |
| 複数のAWSアカウントと複数のリージョンにまたがる | リージョン間はTransit Gateway 間のピアリング、アカウント間はAWS RAM による TGW 共有で対応する →選択肢(A)は候補 |
| すべてのプライベートサブネット間で相互に通信 | PrivateLink は公開したサービスへの接続専用で、任意の相互通信はできない →選択肢(D)を消す |
| 運用負荷が低く、将来のVPC追加にも柔軟 | TGW ならアタッチするだけ。VPN トンネル30本超の管理は運用負荷が高い →選択肢(C)を消す |
ひっかけポイント
- VPC ピアリングの最重要論点は「推移的ルーティング非対応」。この一点で選択肢Bは即消える
- 「中央ハブVPC+VPN」はハブ型に見えるが、AWS 内部の接続に VPN を使うのは筋が悪い(トンネル管理・暗号化オーバーヘッド・帯域制約)
- PrivateLink は「プライベート接続」という語感で選びたくなるが、提供するのはサービス単位のエンドポイントであってVPC 間ネットワークではない
- 複数アカウントが絡む記述が出たら AWS RAM による TGW 共有がセットで正解になる。本問の選択肢A の「RAM で共有」はこの要件に対応した記述であり、余計な要素ではない
出題バリエーション
同じ知識が本番では条件を変えて出題されます。| 問題文がこう変わったら | 正解はこう変わる |
|---|---|
| 「接続するVPC が2〜3個だけで、今後も増えない」 | VPC ピアリングがシンプルかつ低コストで正解になり得る。 |
| 「オンプレミスのデータセンターからすべてのVPC に接続したい」 | Direct Connect / Site-to-Site VPN を Transit Gateway に集約する構成が正解軸に。 |
| 「特定のSaaS やサービスだけを他VPC に公開したい(IP 重複あり)」 | AWS PrivateLink が正解に浮上する。 |
| 「リージョン間で低レイテンシ・高帯域の専用接続が欲しい」 | TGW ピアリング(AWS バックボーン経由)や Cloud WAN が論点になる。 |
- 各リージョンにAWS Transit Gatewayを作成し、Transit Gateway間をピアリング接続で結び、AWS RAMを使用してアカウント間で共有する
- すべてのVPC間でVPCピアリング接続を確立し、各VPCのルートテーブルに必要な経路情報をすべて追加する
- 中央ハブとなる専用VPCを作成し、すべてのVPCとの間にAWS Site-to-Site VPN接続を構築してルートテーブルを設定する
- AWS PrivateLinkを使用してエンドポイントサービスを各VPCに配置し、すべてのVPC間でサービス接続を確立する
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